ニコラ・フォルミケッティがクリエイティブ・ディレクターを務める「ミュグレー」の今シーズンは、1950年代から60年代にかけて未来派アーキテクトの先駆けとなったブラジル人建築家オスカー・ニーマイヤーをインスピレーション源に、60年代のフューチャリズムを彷彿させるコレクションを発表した。
ボンディングで貼りを持たせたスレートグレイやペールピーチのカシミア素材は、伊ビエラを本拠地とするテキスタイルの名門、クレヴァクオーレ社のもの。平面的パターンを3Dに仕立てた肩やウエストを膨らませたフォルムや、頭にすっぽりと被ったフードが60年代風の未来感を印象づける。「着想源は60年代スタイルだけど、そこに50年代や90年代のテイストを加えている」とフォルミケッティ。確かにブランドの創業デザイナーであるティエリー・ミュグレーも、80年代から90年代にかけて、アンドロイドのような未来的官能美をスタイルに表現していた。
フェティッシュな漆黒のレザーパンツや光沢感のあるシルクなど、素材の風合いを最大限に生かしながら、スキニータイトからボリュームコントロールまで変幻自在に描いたコレクションは渾身の迫力。ウィメンズデザイナーのセバスチャン・ペイネとのコンビネーションも成熟度を増し、パターンやディテールにも完成度の高さが感じられるコレクションとなった。
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