マスキュリンなテーラードジャケットにフェミニンなベージュのニットなど、硬さと柔らかさを織り交ぜたコレクションだ。テーマは「ANIMA(男性の無意識の中にある女性像、女性性)」。従来はニットウエアを得意としていたが、ラペルのないスリーブレスコートやオーバーサイズのボリュームコートといった、アウターの完成度が向上している。ニットやアウターで取り入れたのは、強いモチーフの花柄だった。「花は、曲線使いで女性をイメージさせるものだが、あえて直線でパターンを作り込んだ。架空の花をマスキュリンに表現している」とデザイナーの江角泰俊。黒を男性の象徴と捉えた一方、赤やベージュを女性の象徴として表現した。色やディテールで男女の境界を交差させるコレクション。「男性の自分がデザインするウィメンズウエアなので、女性的な一面もどこか男性的な感じがしますね」。相反するモチーフをまとめ上げ、ロングボリュームや重厚なレイヤードで提案している。
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