ファッション

【東コレ】「ドレスキャンプ」は、毒をスポーツテイストで中和

 岩谷俊和が戻ってきて2シーズン目の「ドレスキャンプ」は、ジャングル・コラージュがテーマ。最近「ジャングル」と言えば「ケンゾー」あたりを思い出すが、「ドレキャン」のジャングルは、あんなにキッチュ&ポップではなく、むしろ毒々しいくらい。咲き乱れる花々も「ケバい」くらいの色合いだし、そもそも花よりダークグリーンの草がうっそうと繁っている。そして、ジャングルの中ではリアルなチンパンジーがこちらを見つめていたり、さらにコラージュでパイソンモチーフが加わったり。「カワイイ」にまとめないのは、岩谷らしさと言えるだろう。

 ただ、ダークサイドが強すぎると、特に東京のマーケットでは売りづらい。岩谷本人も、過去はそれで辛酸を舐めてきた。そこで彼は、先シーズンには「ロット」とコラボレーションして見せた、スポーツとの融合にチャレンジ。上述した「毒っぽさ」を、健康的でスポーティなナイロンブルゾンなどにのせることで中和しようと試みた。この柄をプリントしたナイロンを葉っぱの形に切り取り、幾重にも重ねたショーツやブルゾンも面白い。ナイロンやメッシュで作った、ベルスリーブ&フリルのヘムラインのドレスはネオンからー。やはり「ケバい」とも言えるが、こうした色は、スポーツウエアには決して珍しくない。きちんとリアルに着地している。

 人一倍思い入れが強い、装飾的かつ構築的な後半のドレスは、白を基調とする色使いと前半とは一変した可愛らしいフラワーモチーフではあったが、多少冗長かつ既視感があったし、なによりやはりリアルとは言いがたかった。むしろ、同じようなラッフルやレースの装飾をロング丈のスウェットに加えたカジュアルドレスの方が、今の雰囲気にあっている。次は、後者をさらに極めた「ドレキャン」を見てみたい。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。