ファッション

【東コレ】「ドレスキャンプ」は、毒をスポーツテイストで中和

 岩谷俊和が戻ってきて2シーズン目の「ドレスキャンプ」は、ジャングル・コラージュがテーマ。最近「ジャングル」と言えば「ケンゾー」あたりを思い出すが、「ドレキャン」のジャングルは、あんなにキッチュ&ポップではなく、むしろ毒々しいくらい。咲き乱れる花々も「ケバい」くらいの色合いだし、そもそも花よりダークグリーンの草がうっそうと繁っている。そして、ジャングルの中ではリアルなチンパンジーがこちらを見つめていたり、さらにコラージュでパイソンモチーフが加わったり。「カワイイ」にまとめないのは、岩谷らしさと言えるだろう。

 ただ、ダークサイドが強すぎると、特に東京のマーケットでは売りづらい。岩谷本人も、過去はそれで辛酸を舐めてきた。そこで彼は、先シーズンには「ロット」とコラボレーションして見せた、スポーツとの融合にチャレンジ。上述した「毒っぽさ」を、健康的でスポーティなナイロンブルゾンなどにのせることで中和しようと試みた。この柄をプリントしたナイロンを葉っぱの形に切り取り、幾重にも重ねたショーツやブルゾンも面白い。ナイロンやメッシュで作った、ベルスリーブ&フリルのヘムラインのドレスはネオンからー。やはり「ケバい」とも言えるが、こうした色は、スポーツウエアには決して珍しくない。きちんとリアルに着地している。

 人一倍思い入れが強い、装飾的かつ構築的な後半のドレスは、白を基調とする色使いと前半とは一変した可愛らしいフラワーモチーフではあったが、多少冗長かつ既視感があったし、なによりやはりリアルとは言いがたかった。むしろ、同じようなラッフルやレースの装飾をロング丈のスウェットに加えたカジュアルドレスの方が、今の雰囲気にあっている。次は、後者をさらに極めた「ドレキャン」を見てみたい。

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