テーマは、鉄が酸化する時に発する反応熱の温度「122?(50℃)」。グレー、チャコールグレー、ブラック、モカブラウンといった鉄や錆を思わせるカラーパレットを用いて、アシンメトリーなドレスを中心としたコレクションを発表した。ファーストルックは、細いベルトでウエストマークした前身頃と、風をまとう軽やかなバックスタイルが印象的なシャツドレス。その後は、前後で色を切り替えたニットドレス、ショールを羽織ったような肩から胸元にかけてのデザインや太い袖が特徴的なコートやジャケット、黒のグラデーションを加えたヘリンボーンのドレスやジャンプスーツなどを提案。斜めラインの色の切り替えやグラデーションで、酸化していく過程を表現した。
終盤には、モカブラウンと黒のバイカラーのドレス群を披露。トリアセテートが生み出す美しいドレープと、背中や肩を大きく開いたデザインが目を引く。
「エー ディグリー ファーレンハイト」は今年1月、「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク ベルリン」で同様のショーを開催したが、「ベルリンは、MD発信や売れる素材の追求などニューヨークと似ているように感じた。自分が以前、ニューヨークにいたこともあり、非常にやりやすく、ドレス需要があるという点でも、ベルリンやニューヨークの方が、自分のブランドに合っているのかもしれない。今後は、海外で展示会を行なうことも視野に入れている」と天津憂デザイナー。
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