中国・R.G.F(ルーツ・ギャラリー・ファーニチャー)が手掛けるカフェ併設型インテリアショップR.G.Fが日本製品などを販売するECサイトを立ち上げる。ローンチは9月予定。高額品を購入する富裕層から感度や収入が上がっている中間層、カフェを中心に利用する10代後半?20代まで幅広い客層を持つ中で、目利きの中国人バイヤーが選んだ"メード・イン・ジャパン"の陶器や文具などを扱い、若者層からの支持を獲得したい考え。中心価格帯も100?200人民元(約2000?4000円)と手頃なものとし、仕入れた商品はR.G.F店頭でも販売することで、中国での販売窓口としての機能も果たしたい考え。
国内窓口として日本からアイテム提案をするのは、ワールドやユニクロでVMDなどの経験を持ち、独立して上海で起業した、内田文雄・碧詩商務諮詢 総経理だ。「世界を飛び回っている感度の高いバイヤーが興味を持つアイテムは、有名無名を問わず、日本にたくさんある。それらを中国、将来的にはアジアに販売する手伝いをしたい。当座購入や現物購入で日本の商品を販売するサイトは多いが、すぐに売り切れてしまうことが多い。取引先ときっちりと話し込み、在庫を持った状態で安定的に提供できるようなECサイトを目指したい。理想は国内ブランドにとって代理店のような存在になることだ」と話す。また、「日本企業が中国に進出しても成功することは簡単ではないが、リスクの少ないECでの販売に加え、R.G.Fという実店舗で商品を販売できるのもメリットだ。日本のメーカーや職人、そして、中国の消費者にも安心してサイトを利用してもらえるはずだ」。
また、事業には、シンガポール在住の上海出身の中国人ブロガー兼バイヤーも参画。すでに稼動してファンも多く持つ彼女のEC連動型ブログなどをベースにして、サイトに改良を加えていくという。
R.G.Fはファッションビジネス出身のクリス・マー代表が2012年7月に設立。日用雑貨やインテリア、ショップの什器などをカフェ併設型店舗で販売し、撮影やドラマなどでも使用される話題のスポットとして注目が集まっている。「ニコアンド」のアジア店や、香港の高級百貨店レーン・クローンフォードにも什器を販売するなど、知名度も高い。現在は中国に2店舗の路面店と9つの卸先を持つ。14年度の売り上げは1360万人民元(約2億7200万円)。今年度はECサイト事業もスタートし、売上高2050万人民元(約4億1000万円)を計画する。