東武百貨店池袋店は全館リニューアルを行なっており、2012年6〜7月には化粧品売り場を2階に上げた。その成果はどうだったのか?
「東武沿線のお客さまの暮らしを豊かに、ワンストップショッピングが出来る売り場を目指している。そのため、お客さまのライフスタイルを想像し、売り場を作っている」と語るのは志波正彦・東武百貨店 池袋店 婦人服飾雑貨部 商品担当マーチャンダイザー。中でも全館挙げて取り組んでいるのが「美・健康・癒やし」の強化だ。「ターゲットとする30~50代のお客さまの関心度の高いカテゴリー」。その一環として昨年12月1日にオープンしたのが、TOBUビューティーテラスだ。加圧トレーニング、シェービング、ヘアサロン、毛穴トリートメントなどの美容サービスを提供するショップを集積している。「3階のビューティーテラスから2階化粧品売り場への買い回り率は50%。高い買い回り率だと見ている」。
さらに買い回りを活性化するため、加圧サロンではスタジオで使うウエアの売り場を紹介したり、アクセサリー売り場で婚約指輪を購入するお客さまにブライダルまでのお手入れとしてシェービングのサービスを紹介したりと、売り場の連携を図っている。化粧品売り場自体は前年比125%で推移。また、ハンドバッグ、シューズと隣接させたことで、ハンドバッグ売り場から化粧品売り場への買い回り率は 35%、シューズ売り場からの買い回り率は30%となった。1〜2階のトータルでも化粧品売り場への買い回り率は5%アップと成果を出している。しかし「全館で『美・健康・癒やし』を強化した結果、2階の化粧品売り場以外にネイルサロンやウィッグ、フェイシャルサロンなどが散らばってしまった。今後はフロアのライフスタイルとこれらの化粧品売り場を整理しながら、どう買い回りさせていくかが課題」と語る。
今後については「取引先が抱えている美容師、理容師、栄養士なども巻き込んでお客さまの生活が向上するようなサービスを提案できないか模索中」と語る。