カラフルな色使いで知られる「ジョナサン サンダース(JONATHAN SAUNDERS)」のメンズが今、日本で勢いを増している。たとえば阪急メンズは2014年春夏、自主編集売り場の「ガラージュ D.エディット」で取り扱いをスタート。同シーズンには、伊勢丹新宿店メンズ館も取り扱いを本格化する。以前は独特の色使いが敬遠される理由だったが、メンズにも"キャッチーな見た目"を評価するムードが到来。加えて、「色は派手だが、商品とそのシルエットは一般的」というクリエイションも評価されている。
14-15年秋冬コレクションは、そんな評価を強く意識し、得意分野に磨きをかけたようなものだった。もちろん、グラデーションするダイヤ柄を隙間なく敷き詰めたベースボールブルゾンやスリムパンツ、フューシャピンク×モスなどの"際どいカラーコンビネーション"で描いたボーダーのニットなど、"らしい"クリエイションも数多い。しかし一方で、たとえばコントラストカラーのグログランでトリミングしたジャケット、ウエストバンドを別の色で切り替えたジョギングパンツなどコマーシャルなアイテムも数多く、もちろん、いずれもシルエットは奇をてらわず正統派かつスマートにまとめている。アクセサリーも、レースアップシューズやサイドゴアブーツにはカラフルなソールを用い、さらにソールとアッパーをつなぐウェルトにはブラック×ホワイトの編み込み。伝統的だが、実は多色使いのアクセサリーに仕上げた。
そして極めつけは、「ライル&スコット」とのコラボレーションだ。身頃をアーガイル(格子柄)、袖をポルカドット(水玉)にしたニットやポロシャツ、Tシャツなどを発表した。キャッチーな色と柄使いというアイデンティティはそのままに、ビジネスセンスを巧みに盛り込んでいるからこそ、日本でも徐々にマーケットが広がっていることを再認識するコレクションだ。