「エムエム�E メゾン マルタン マルジェラ」が2014-15年秋冬を発表する会場に入ると、中央に白い幕で正方形を作り、その周りをソファーやカウンターチェアなどで囲んでいた。ショー会場というよりは、どこかアットホームな雰囲気に包まれていた。会場が暗くなると、幕が開き、音楽が流れ始めた。カナダ人シンガー、ショーン・ニコラス・サヴェージが登場し、キーボードとの生演奏で、強弱のある緩やかな歌声を披露する。
ファーストルックは、紙のような薄いシワ感を持ったレザーのジャケットとショートパンツ。続いて、同じ素材を採用したジッパーとサイドポケット付きワンピースなどが登場する。その後、対比するようにビニールライクな光沢感のあるフルレングスのパンツやワックスを塗ったレザーパンツなどにシフトする。機能性を随所に散りばめたシティスタイルが見えてきた。
中盤、包装用に使う梱包材、気泡入り緩衝材(いわゆる"プチプチ")を使ったTシャツを加え、新たなレイヤードを楽しむ。チューブトップや同じサイズのプリントTシャツの上から着たり、ビッグスリーブのワンピースの下から覗かせたり、「MM�E」らしいユニークなレイヤードだ。カラーパレットは、白と黒を中心に赤みがかったオレンジを投入。オフショルダーのローブ風オーバーニットドレスやレザーのロングコートの内側、メタリック加工したバイカージャケットに使用する。シューズは、レインブーツのようなロングブーツに膝のサポーターをつけたサイハイブーツ。ワークウエアやアウトドアから着想するブランドが多い今季、足元の機能性もトレンドとして注目したい。