2014年5月、DHLとIMG ファッション共同主催の新支援プログラム「DHLエクスポーテッド(DHL EXPORTED)」の受賞者が発表された。東京で開催される「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京(=MBFWT)」への参加権を勝ち取ったのは、ヘンリー・ホランドによる「ハウス・オブ・ホランド(HOUSE OF HOLLAND)」だ。
今回、「DHLエクスポーテッド」で注目すべきは春夏、秋冬と2シーズン続けて公式スケジュールのランウェイでショーを実施できるということ。すでにファッションブランドとしての認知度があり、ロンドンの"ストリートカルチャー"を代表する「ハウス・オブ・ホランド」が東京で新作を発表し、「MBFWT」を盛り上げる。来日したデザイナーのヘンリー・ホランドに個性あふれる東京カルチャーへの印象や、ショー開催への意気込みを聞いた。
ブランド設立当初と現在の変化について聞かせてください--------
ブランドを立ち上げ、最初のスローガンTシャツを打ち出してから7年が経過しました。さまざまななかたちで進化を遂げてきた「ハウス・オブ・ホランド」ですが、当時のアイデンティティや、パーソナリティ、ユーモア、豊富なカラーを用いたデザインとブランドが持つDNAは、今もとても大切にしています。これに加え、近年のコレクションでは、生地やディテールのつくり込みなど、技術面を昇華させています。
東京カルチャーについてどう考えていますか?--------
私自身とても興味のある「ストリートファッション」で溢れていると思います。「ハウス・オブ・ホランド」の美学とフィットするところもありますし、アニメなど、独特の文化はとても楽しい。影響を受けることもあります。特にメンズのファッションがユニーク。プリントとシルエットをミックスしたスタイルは大好きで、自分のコーディネートの参考にすることもあります。日本は、モデルだけではなく、DJ、ブロガーなど、さまざまなインフルエンサーも面白い。昨夜はマドモアゼルユリアさんに初めてお会いしました。
「DHL エクスポーテッド」受賞の感想は?----------
今回の受賞について、とても光栄に思います。東京に来ることができて本当にワクワクしていますし、グローバルに活動してきたこのブランドをもっと成長させたいです。東京のマーケットには、チャンスがあると思います。また、「DHL エクスポーテッド」では、10月、続けて3月と、2シーズン続けたアプローチができるところが最大のポイントだと感じています。旅行先の国からデザインの影響を受け、反映することもあるので、日本の文化からインスピレーションを受けたコレクションにする可能性も(現段階で)少しあります。2015年春夏シーズンの「MBFWT」に参加できることは、本当に嬉しいし、興奮しています。
ニューヨーク、ミラノ、ロンドン、東京から東京を選んだ理由は?----------
「ブランドの感受性」「パーソナリティが合っている」ということが理由の一つ。もう一つは、東京以外の3都市については、既にある程度のブランド浸透率があると考えているからです。東京は他の都市と比べて違う市場ですし、(イギリスから)距離もありますし、独立したマーケットが存在するというところで選びました。以前からとても興味をもっていましたし、自分でもツイッターやインスタグラムなど、SNSを通して「MBFWT」の成長について気づきました。タイムラインに流れてくる画像や動画は、ランウェイに留まらず、パーティ、イベントなどファッション・ウィークに関わるさまざまな情報が投稿され、盛り上がっている様子が伝わってきました。他の都市よりも成長していると思いました。
次期「MBFWT」についての意気込みを聞かせてください!----------
新しいコレクションをつくるということは、デザイナーとして一番ワクワクします。東京でショーを開催するということにモチベーションが高くなっていますので、既にアイデアが出たものはつくり出しています。ロンドンと日本では、コンセプトを少し変えてつくるつもりです。2015年1月には、メンズをローンチする予定なので、3月にはメンズも入れられるかも(?)しれませんね。また、ロンドンで発表予定のリゾートコレクションについては、画像形式で世界に配信する予定です。東京でのショーを楽しみにしていてください!