2014年春夏のメンズやプレコレクションから浮上した"ダークトロピカル"のムードは続いている。ミラノのトレンドセッターのひとり、アレッサンドロ・デラクアもまた、"バケーション"をテーマに選び、花やトンボ、波といったモチーフを秋冬カラーで描いた。ただし、いわゆるのリゾートスタイルではなく、デラクアらしく、クラシックなスタイルをベースに置きながらも、リゾートムードを加味し、今すぐ街で着たいと思わせるウエアへと変換した。特にボクサーショーツにビジューの装飾を施したシースルーのペンシルスカートをレイヤードしたスタイルが新鮮だ。それらに合わせるのは、シャツやブルゾンといったメンズアイテム。襟を小さくしたり、裾をカットしたり、レースで提案したりとあくまでフェミニンに仕立てる。ポイントはそのバランス。絶妙のサイズ感である。スタイリングまでもイメージしたかのようなクリエイションだ。「スタイルはとてもクラシック。でもアティチュードはセクシーでモダンに仕上げたんだ。マスキュリンなものとフェミニンなものが交錯するようにね」とアレッサンドロ・デラクア。30人のモデルが1人1ルックずつという贅沢なショーは、大きな拍手でフィナーレを迎えた。
【ヌメロ ヴェントゥーノ 2014年春夏ミラノコレクション 全ルック】