オーバーサイズの白いニットジャケットやハート柄のブランケットコート、さらにショート丈のニットアイテムなどを発表した。どことなく野暮ったく、田舎っぽい印象を受けるコレクションは、1997年に公開された映画「ガンモ」から着想を得たもの。同映画は、竜巻で村が崩壊し、希望がない中でも村に住み続ける人たちを描いたストーリーで「淡々としたアメリカの田舎町をイメージして制作した」(デザイナーのシュエ・ジェンファン)。アメリカの田舎町と言えば「テキサス州などはUFOがよく出るので、SF的なディテールも入れている」とジェンファン。レインボーカラーのヒモ使い、さらにフィナーレには宇宙人を登場させるユニークな演出もあった。田舎町のダイナーで働く女性たちは、キャラクターを配したニットやゴミ袋を思わせるビニール素材のスカートをはいている。チープでだらしないスタイリングも多い。デザイナーにフィナーレの狙いを聞くと「村人にとってUFOが希望の光に見えても、宇宙人はヒマつぶしで来ているだけだったりする」。希望はなくとも絶望でもない。独特の空気感が流れるカジュアルウエアだ。