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サマソニ2日目は快晴のフェス日和 英ロックの殿堂クイーンで大団円

 日本最大級の都市型音楽フェス「サマーソニック2014(SUMMER SONIC 2014)」の2日目が17日、東京と大阪で開催された。東京会場は幕張メッセとQVCマリンフィールドで、国内外67組のアーティストがライブを行なった。快晴に恵まれつつ、気温は高くなり過ぎないフェス日和で、来場者がフェス・ファッションを楽しみやすい1日だった。

 ヘッドライナーに登場したのは英国が誇るロックの殿堂入りバンド、クイーン(QUEEN)。ヴォーカルに米オーディション番組「アメリカン・アイドル」出身のポップスター、アダム・ランバート(ADAM LAMBERT)を迎えての布陣だ。リーゼントに髭を生やしたアダムは冒頭、黒レザーのタンクトップにエナメルパンツ、金のスタッズ付きレザーグローブ、太いチェーンネックレスをまとうハードボイルドな出で立ちで登場。「キラー・クイーン(KILLER QUEEN)」では、金のフリンジが羽根上にはためく肩までのアームパーツを装着し、ステージ前方花道に用意されたソファに寝そべり、金の扇子を扇ぎながら歌唱した。曲の終わりにシャンパンをラッパ飲みするなど、パフォーマンスでも見せる。オリジナルメンバーでギターのブライアン・メイは、オリジナルモデルのギターを巧みに操り、ロックオペラとしての意匠を持つバンドの楽曲をドラマティックに彩っていく。ドラムのロジャー・テイラーも健在の激しさと構築的なリズムパターンで楽曲の屋台骨を支えた。2人はそれぞれ数曲でメイン・ヴォーカルも担当した。本編ラストの「ボヘミアン・ラプソディー」ほか数曲で故フレディ・マーキュリーの映像がスクリーンに登場し、バンドの演奏と"共演"した。アンコールでは、アダムが金色に光る総レオパード柄のスーツに王冠を被ったド派手な姿で登場。「ウィー・ウィル・ロック・ユー」、「伝説のチャンピオン」を披露し、スタジアムを埋め尽くした観客の大合唱と共に今年のサマーソニックを締めくくった。

 夕暮れのQVCマリンフィールドに登場したアヴリル・ラヴィーン(AVRIL LAVIGNE)は、ラインストーンを散りばめた黒ジャンパーに水色とピンクのフリルが段々になったボリューミーなフレアスカートの装い。そこにボーンレギンスとピンクのスニーカーを合わせて完成させるパンキッシュなスタイルだ。背中にはラインストーンで「I ? JAPAN」の文字を描いた。左側の髪を編み上げ右サイドに寄せた長いブロンドヘアが海風になびく姿は艶やかだ。フラッグチェックのピッグガードがアクセントのテレキャスターを弾き語る姿も様になる。1曲目の「ハローキティ」からラストの「スケ8ター・ボーイ」まで全ての曲でシンガロングを巻き起こすオールタイム・ベストな選曲でスタジアムを沸かせた。モデルと見まがう美貌で話題の米国女性シンガーソングライターのバンクス(BANKS)は、漆黒のマキシ丈ドレスで登場。胸元と腹部の一部分がカットアウトされていてセクシーだ。その音楽性は、ミニマルなR&Bを基調に、シンフォニックな上モノやデジタル音の洪水を加えてゴシックな世界観を積み上げていくもの。トーンを抑えつつも情熱的な声や神経の行き届いた指先の仕草で妖麗なパフォーマンスを繰り広げた。英バンドのメトロノミー(METRONOMY)は、メンバー全員がカーキのミリタリーブルゾンに黒スキニーを合わせ、ユニフォーム性を漂わせた。突飛であるがゆえにキャッチーなシンセ音とそこにクロスオーバーしてくる硬質なデジタル音やコーラスワークの重なりが妙だ。頭脳的なアプローチだが、最終的にキッチュな音にまとまるところが彼らの親しみやすさに繋がっている。同じく英シンガーソングライターのエリー・ゴールディング(ELLIE GOULDING)はシースルーホワイトのシャツに黒レザーのホットパンツを合わせたアクティブなコーディネート。スクリレックス(SKRILLEX)やゼッド(ZEDD)、カルヴィン・ハリス(CALVIN HARRIS)らEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の寵児らから引っ張りだこのパワフルな歌声を武器にフロアを盛り上げていく。EDMのマナーにのっとったパフォーマンスと照明演出がもたらす高揚感はここでも強力だ。

 洋楽アクトの出演する音楽フェスティバルは、その年のラインアップによってもファッション傾向が左右される。ロックやパンクにポップスやアイドル、R&Bやダンス・エレクトロニカ、ラウド系など幅広いジャンルのアーティストが国内外から集う「サマーソニック」はその傾向が特に顕著だ。近年では例えば、リアーナ(RIHANNA)をヘッドライナーに迎え、ピットブル(PITBULL)やケシャ(KE$HA)らのダンスアクトが集った2012年の東京2日目は、海外音楽フェスのスナップで見かけるコーディネートやストリートファッションのガールズが急増した1日だった。今年は、1日目にレッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)のヴォーカリストのロバート・プラント(ROBERT PLANT)が、そして2日目のトリにクイーンというロック・レジェンドらが出演したこともあり、古くは60年代のジミ・ヘンドリックス(JIMI HENDRIX)やボブ・ディラン(BOB DYLAN)、ザ・ローリング・ストーンズ(THE ROLLING STONES)、最近では洋邦のアーティストTシャツの出現率が、近年でも特に多い傾向にあった。また他方、ファッションブランドの会場出店も相次いでいる。03年から同フェスのサポートを続ける「ポール・スミス ジーンズ(PAUL SMITH JEANS)」をはじめ、7年目を迎える「カシラ(CA4LA)」や「マンハッタン ポーテージ(MANHATTAN PORTAGE)」、初出店の「ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)」、「ボディワイルド(BODY WILD)」などが参加し、会場内の一角に連なるファッションブース群の存在感が増していた。加えて女性ファッション誌「キャンキャン(CanCam)」もコラボレーショングッズを制作するなど、賑いを見せている。「サマーソニック」のスタッフTシャツを制作する「ポール・スミス ジーンズ」は今年、ギターのピックをキーモチーフに採用した。会場のブースの壁に東京・大阪あわせて3000個のピックを貼り付けた壁面を制作したほか、ブース内の姿見もピック型だった。フェスのスタッフTシャツの前身頃にも「PS」印のピックがプリントされていた。各ブランドの売れ筋アイテムは、「ポール・スミス ジーンズ」と「ミハラヤスヒロ」が会場限定のTシャツ。「カシラ」は、幾何学模様のキャップやボタニカル柄のハットなど。派手な柄がフェス会場では好まれるという。「マンハッタン ポーテージ」は小ぶりなウエストポーチ。「ボディワイルド」は、本日も出演したクイーンとのコラボボクサーパンツの赤と黄が一番人気だった。

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