海外からのゲストにも名高いリゾート「星のや京都」の久保田一郎・料理長と、軽井沢の「星のや嘉助」稲家英二・料理長とが、一皿の中で共演を果たす——。そんな夢のような料理が供されるのは、10月5日まで有明コロシアムで開催中の「楽天ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップス2014」のVIPに向けた「RADO レストラン」だ。その名の通り、運営するのはスイスの時計ブランド「ラドー」。同大会のタイムキーパーとレストランを2012年から担当している。
普段は会議室というスペースにコートを模した人工芝を敷き詰め、テーブルとイスを配置し、黒を基調としたラグジュアリーなレストランへと一変させた。VIPの社交場でもあるグランドスラム(全豪、全仏、全英、全米)のレストランのように、日本のテニス観戦のスタイルを変えたいという「RADO レストラン」が掲げた今年のテーマは、「イノベーティブな和と洋のマリアージュ」。フレンチのメインディッシュとデザートに対し、久保田・稲家の両料理長は、和の技をもって創作した前菜で挑む。
久保田・料理長は、「季節の素材と日本の伝統に、洋のしずくをちょっと垂らした、ちょっとハイカラな前菜を考えた」と話し、稲家・料理長も「今が盛りの地の物のキノコや栗といった、信州の素材を味わってほしい」という。1週間の大会期間中、料理は日替わり。器も普段とは勝手が違う洋食器を用い、それに合わせた盛り付けも二人で考察した。
メインとデザートを担当するのは、愛宕の「J.H.V.Wine & Marriage」でシェフを務める松崎亮輔シェフ兼総支配人。そしてシャンパーニュ3指に指名されたグランメゾン「ジャクソン」が脇を固め、VIPを迎えるにふさわしいおもてなしが提供される。(委嘱ジャーナリスト 高木教雄)
※「WWD JAPAN.com」は10月5日まで、「RADOレストラン」で供されるメニューを日替わりで紹介します。
ギャラリー写真1枚目:「星のや京都」の久保田一郎・料理長
ギャラリー写真2枚目:「星のや嘉助」の稲家栄二・料理長
ギャラリー写真3枚目:9月29日の前菜は、「秋ナスとオクラの翡翠合わせ」。ナスとオクラを翡翠に見立て、ショウガのクリームをプラス。ジュレの上に敷き詰めた
ギャラリー写真4枚目:9月30日の前菜は、「秋刀魚棒寿司、蟹と秋奈和へ」。信州の川魚の卵3種が蟹と秋奈に深みを加えている涼やかな一品。
ギャラリー写真5枚目:10月1日の前菜は、「福久良鮑と冬瓜水晶煮」。夏の名残の冬瓜をとても柔らかく調理し、鮑の食感と合わせた。上湯の出汁で仕上げ、葛とショウガのアクセントをきかせている
ギャラリー写真6枚目:10月2日の前菜は、「のどぐろのフリット秋薫仕立て」。全米オープンの後、錦織圭選手が「食べたい」と言った魚を米粉とタピオカ粉でカリッとフリットに。秋の食材である栗を使ったソースを琥珀餡に仕上げ、秋のキノコとあわせた。
ギャラリー写真7枚目:10月2日のメインは、「仔ウサギ背肉のロティ マスタード風味。日本の旬の茸とともに」
ギャラリー写真8枚目:10月3日の前菜は、「千両茄子と真名鰹の煎り出し松茸添え」。京都でよく使う名残の真名鰹と、旬の千両茄子に松茸を添え、秋を盛り合わせた一皿。すきっとした和のお出汁でいただく。
ギャラリー写真9枚目:10月3日のデザートは、「洋梨のコンポート オリエンタル風味。生姜風味のアイスクリーム添え」
ギャラリー写真10枚目:10月4日の前菜は、「穴子棒寿司と小さな深秋の肴核」。有明をイメージして、江戸前の穴子寿司を皮を表にして巻いた。つぶした山椒の実がさわやか。肴核は、安納芋と、鮎の甘露煮に茗荷甘酢漬けを添えている。
ギャラリー写真11枚目:10月4日のメインは、「太刀魚の香草パン粉焼き ベルモット・ソース トマト・ポルテュゲーズとマッシュルームのデュクセル添え」
ギャラリー写真12枚目:今回料理を担当した久保田一郎「星のや 京都」総料理長、稲家栄二「星のや 軽井沢」総料理長、松崎亮輔シェフとシャンパーニュ「ジャクソン」