エルメス財団は9月4日まで、日本人アーティストの奥村雄樹のコンセプチュアルな作風に迫る「奥村雄樹による高橋尚愛」展を、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催している。同展では、"作者性"や"協働"という概念への問題意識を軸に、2人のアーティストの交流によって生み出された作品を展示。高橋が1970年代にニューヨークで22人のアーティストとのコラボレーションで手掛けたプロジェクト「記憶からアメリカ合衆国の地図を描く」をはじめ、奥村が高橋になりきってインタビューに答える映像や、既存の作品を奥村の斬新なアプローチで再解釈したが並ぶ。
奥村は1978年青森県生まれ、ブリュッセルおよびマーストリヒト在住。一方、高橋は40年東京都生まれ。62年に渡伊後、ミラノでルーチョ・フォンタナ、69年から2008年まではニューヨークでロバート・ラウシェンバーグのアシスタントを務め、両者とのコラボレーションによる作品も手がけたが、その名は歴史に埋もれていた。奥村と高橋によるプロジェクトは13年春、奥村が1967年に行われた高橋の個展の資料を見つけ、リサーチを始めたところからスタート。その後、高橋本人に出会い、交流を深めていく中で数々の作品が制作された。
■「奥村雄樹による高橋尚愛」展
会期:2016年6月4日〜9月4日
開館時間:11:00〜20:00(日曜〜19:00)
入場料:無料