レッドブル・ジャパンは5月3?4日、イギリスやイタリア、カナダ、アメリカ、オーストリアなど世界33カ国35カ所で同時にスタートするランニングイベント「ウィングス・フォー・ライフ・ワールドラン(Wings for Life World Run)」を、滋賀県高島市で日本初開催した。同レースは通常のマラソンのように距離設定がなく、スタートの30分後に"キャッチャーカー"という追跡車が走り出し、参加者を追いかけるユニークなレース。キャッチャーカーは徐々にスピードアップし、最終的に車に追い抜かれた時点でレースが終了。最後まで残ったランナーが優勝となる。日本ではレーシングドライバー小林可夢偉やウルトラマラソン(100km)世界記録保持者の砂田貴裕選手らのアンバサダーの他、プロスノーボーダーの角野友基選手、モデルの高山都らを含め1983人が参加。全世界では7万3360人が参加した。
ランナーは日本開始時刻の3日20時になると、開催場所である滋賀県高島市の今津総合公園を一斉にスタート。夜の小雨が降る中、ランナーは高島市市街を抜け、同市の観光名所であるメタセコイア並木や琵琶湖湖畔などを駆け抜けた。レースは深夜までに及び、日本の男子優勝者は沖和彦選手で67.6km、女子の優勝者は渡邊裕子選手で56.3kmとなった。女子優勝者の渡邊選手は、日本人初となる世界チャンピオンにも輝いた。一般参加者も思い思いのペースでレースを楽しんだ。高橋盾「アンダーカバー(UNDERCOVER)」デザイナーと「ナイキ(NIKE)」によるランブランド「ギャクソウ(GYAKUSOU)」2015年春夏シーズンのアイテムをおそろいで着用した男子大学生2人組は「SNSを見てイベントを知った。地元が京都だし、面白そうだから友達を誘って参加してみた。また来年も参加してみたい」と語っていた。
「ウィングス・フォー・ライフ・ワールドラン」は"走れない人のために走る"というテーマのもと、全参加料の約420万ユーロ(約5億5860万円)を脊髄損傷治療法の研究に資金援助を行う非営利団体「ウィングス・フォー・ライフ財団」に寄付する。自身も脊髄損傷で四肢麻痺になりながら日本大会のアートワークを制作したエクストリーム・ペインターのTAKAは「健常者だけでなく、車イス生活を送るような、普通に走れない人も参加できるのが素晴らしい。革新的だしすごくチャレンジングなレース。僕自身もアートという面でこれからも一緒にチャレンジしていきたい」と話した。
なお、同イベントのグローバルパートナーとして、「プーマ(PUMA)」及び、GPS機器ブランドの「ガーミン(GARMIN)」が協賛している。