ザジフィルムズは4月14日、イタリアの監督、ルキーノ・ヴィスコンティ生誕110年・没後40年のメモリアルを記念し、「若者のすべて 4K 完全修復版」のジャパン・プレミアを行った。同作品は、「グッチ(GUCCI)」がサポートする、マーティン・スコセッシ率いるザ・フィルム・ファンデーションとともに名画の修復保存を行うプロジェクトとして、昨年修復作業を終えたものだ。1990年にスコセッシが設立したザ・フィルム・ファンデーションは、歴史的な映画の保護と保存に貢献し、主要な映画アーカイブスやスタジオとパートナーシップを結び、これまで560本以上の作品の保存保護を行ってきた。グッチは10年前からこのザ・フィルム・ファンデーションと取り組み、毎年1作品を上映。「こわれゆく女」(1974年)や「女ともだち」(1955年)、「ワンダ」(1970年)など、「若者のすべて」を含む、10作品を発表してきた。グッチ銀座店6階のシネマルーム「シネマ ヴィジョナリーズ」では現在、「甘い生活」(1960年)を上映している。
今回行われた「若者のすべて 4K 完全修復版」ジャパン・プレミアでは、ヴィスコンティのファンという女優の二階堂ふみが「グッチ」の2016年春夏コレクションを着用し登場。トークショーで二階堂は、ヴィスコンティの作品は、映画好きの母の影響もあり、16歳くらいの時に初めて観た。特に『夏の嵐』や『山猫』が好き。アラン・ドロンのカッコよさに心打たれた。映画を見ていると、あんな女優さんみたいになりたいなってファッションやスタイルに憧れるようになる。ぜひ今の若い世代の方にもそれを体感してほしい。この機会にぜひ大きなスクリーンを通して、作品を見てほしい」と話した。また、ドレスについて聞かれ、「アレッサンドロ・ミケーレによる新しい『グッチ』はとても好きで、これまでの歴史あるイメージから、革新的な風を取り入れたと思う。今日のドレスは自分で選んだものだが、サイドの刺しゅうディテールがとても気に入っている」と答えた。
最高画質で修復されたヴィスコンティによる5作品を日本劇場初公開で上映する予定だ。5月14日からは、初の4K修復版の「山猫」と初のデジタル修復版の「ルートヴィヒ」を、「ヴィスコンティと美しき男たち〜アラン・ドロンとヘルムート・バーガー〜」と題し、恵比寿ガーデンシネマで公開。冬には、「郵便配達は二度ベルを鳴らす」と「揺れる大地」「若者のすべて」を新宿武蔵野館などで順次公開する。