企業やブランドのデジタルパフォーマンスを調査する情報企業、L2がスナップチャット(SNAPCHAT)とインスタグラム(INSTAGRAM)の米国内のユーザーの投稿頻度や年齢層、投稿の特徴を比べる調査結果を発表した。両プラットフォームはそれぞれ異なる特徴を持ち、強みを生かしている。
現在、ソーシャルメディア全般で見ると、投稿数のマーケットシェアが高いのは順にツイッター(TWITTER)が77%、フェイスブック(FACEBOOK)が11%、インスタグラムが10%、スナップチャットが2%だ。また、ユーザーのエンゲージメント数はインスタグラムが87%、フェイスブックが12%、ツイッターが1%で、スナップチャットは1%にも満たさず、一見インスタグラムの方が優位のように見える。しかし、ソーシャルメディア界の「新入り」として勢いを増すスナップチャットはすでに若い世代から圧倒的な支持を得ており、ユーザーの依存度も高い。さらに、スナップチャットの2016年度売上高が15年の業績予想の約7倍高い3億ドル(約321億円)になるとみられるなど、急激に成長している。また、ファッションやビューティ、アクティブウエア、小売り企業におけるスナップチャットの使用率が上がっており、インスタグラムに追い付く日が来る可能性も低くはない。一方、インスタグラムの16年度のモバイル広告収入は15年度の19億ドル(約2033億円)に比べ32億ドル(約3424億円)になるとみられる。
調査結果によると、インスタグラムは雑誌のエディトリアルのようなビジュアルと読み応えのあるコンテンツ、スナップチャットはよりカジュアルなコンテンツに向いている。アナリストによると、いいね数、コメント、シェア数、リグラム数から計測してインスタグラムはブランデッド・コンテンツの主流プラットフォームになりつつある。
市場浸透率を年齢別で見ると、スナップチャットは18?24歳の58%、25?34歳の27%、35歳以上の8%の人が使用している。一方インスタグラムは18?24歳の55%、25?34歳の57%が使用している。調査は他にも「カルバン・クライン(Calvin Klein)」の「#mycalvins?」キャンペーンについても言及した。同じキャンペーンでもインスタグラムにはキュレーションされ、きちんとプロデュースしたコンテンツを、スナップチャットには会話のような作り込み過ぎていない「生」なコンテンツを配信するなど、同ブランドはプラットフォーム別に戦略を変えている。また、インスタグラムを使用してユーザーをスナップチャットに誘導し、新規ユーザーの獲得を狙っている。また、インスタグラムもスナップチャットもEC機能を搭載しているものの、まだ初期段階だと分析した。
調査の結果、L2のアナリストは「インスタグラムがより高度な広告モデル、スナップチャットがユーザーとより簡単に交流できるような機能をスナップに追加するまではブランドや企業は両者を使い分けることがベストだ」とコメントした。