モード誌や広告を中心に国内外で活躍しているモデルの福島リラが、映画「ウルヴァリン:SAMURAI(9月13日日本公開)で、鮮烈なハリウッドデビューを果たした。ウルヴァリンといえば、世界的な大ヒット・シリーズ「X-MEN」で最高の人気を誇るキャラクターであり、リラが演じるのは、そのウルヴァリンのパートナーという大役だ。ここでは撮影秘話を交えながら、女優の仕事に対する思いとこれからについて語ってもらった。
「これまでとは違う現場を踏んだことで、モデルの仕事もさらにフレッシュにできるようになった
----女優にはもともと興味があった?
長くモデルをやっている中で、幸運にもこのような機会をいただいて挑戦させてもらったという感じ。女優を目指したことはないの。ただ、昔から演技に対する興味はあって、ニューヨークに住んでいた頃は、モデルの仕事をやりながらパフォーマンスアートのクラスを受講したりしていた。
----演技に挑戦するのは、自然な流れだった?
ひとつ確かなのは、映画の現場を経験したことで、逆にこれまで10年やってきたモデルの仕事も、よりフレッシュに楽しく感じられるようになったということ。「ウルヴァリン」のクルーたちは、本当に素敵な人たちばかりで。ジェームズ・マンゴールド監督も、共演させていただいたヒュー・ジャックマンさんも、本当に誰にでも優しく接する方たちだった。俳優として素晴らしいのはもちろん、人として素敵。そういうのって、すごく憧れるでしょう。今回のクルーメンバーとの出会いを通して、今まで自分がいろんな人に助けられてきたことに改めて気づかされた気がする。モデルをしてきてよかったとも思ったし、まだまだ世の中に知らないことがたくさんあることを知るきっかけにもなった。何より、自分が一番好きだったポイントを再確認させてもらった気がしている。
----リラさん演じるユキオ役は、どんなキャラクター設定?
「ウルヴァリン:SAMURAI」は、もともとある「X-MEN」シリーズのスピンオフ第2弾で、タイムラインとしては現代の日本が舞台となっているアクション超大作。私は大財閥のボディガードで、大叔父の命令を受け、ウルヴァリンを探して日本に連れてくるというのが最初のミッション。
c 2013 Twentieth Century Fox「ウルヴァリン:SAMURAI」9月13日から
TOHOシネマズ日劇他全国ロードショー
---- リラさん、テコンドーやっているんでしたよね?
テコンドーは趣味でやっていて、もともとシェイプアップ以上の目的はなかったけど、今回の撮影ではけっこう役に立ったのかも。本番まで3週間って時に、「この2メートルの壁を飛び越えられるか?」とかいわれて、えーー!?みたいになったりしたけど、最終的にアクションシーンの8割くらいは自分でやらせてもらえたから。怪我もなく、5ヵ月間走りきったというのは、まだまだ勉強も多いと思う中、ちょっと良かったなと思っている。
----同じくモデルのTAOさんとの共演について。
TAOちゃんは、ウルヴァリンの"運命の女"マリコ役として共演。もともと知り合いだし、ご一緒できて楽しかった。今回の撮影は2週間くらい広島で、それ以外の期間はずっとシドニーだった。全く知らない世界に飛び込んで、そこに知っている人がひとりはいるというのは、本当に心強かった。オフの日にはご飯とかカラオケとか一緒に行ったの。
---- 今後は女優としての活動も広げていく?
年を重ねると、笑いジワが出てきたりするでしょう。そういう変化を含めた上で、まずはモデルの仕事をやらせていただける間はやりたいなと思う。こうしなきゃとは思っていなくて、演技をはじめ違う表現にシフトしていくというのも、自然なことだと思っている。これから先、また新しい現場に出るチャンスがあったら、気持ちを新たにがんばりたい。
---- 今回、「WWDビューティ」の表紙モデルとして参加してもらったが、普段はどんなメイクが好き?
基本すっぴん、というのは過去形。最近はいろいろ勉強しながら、大人の階段を登っているつもり。女性はみんな、お気に入りの赤の口紅を必ず1本は持つべきでは?私は、肌はそのままでリップだけ塗るメイクが好き。アイラインは個人的には入れないほうが好きだけど、アイラインのパワーはすごいと思う。入れる入れないで、全然印象が違ってくるから。
---- 表紙(8月1日号)のメイクはかなりストロングな印象だったが、感想は?
強いけど、アイメイクは全然していないの。引き算のバランスがさすがだなと思った。(メイクを担当したM・A・Cの)テリーさんにはいわれなかったけど、私の顔って、メイクアップアーティストがメイクイメージを書き込むフェイスチャートの骨格に限りなく近いらしくて。だから特に海外の人がメイクをすると、ドラッグクイーン並に盛られることもある。気がついたら始めのストーリーボードと全然違うものになっていたりして。彼らいわく、「リラはフェイスチャートみたいな顔だから、ついいろいろやってみたくなる
って(笑)。でも今回の撮影では、リップだけにフォーカスしていてカッコ良かったと思う。楽しかったです。