ファッション

【低価格雑貨店の実力は?�@】「フライング タイガー」エンタメ型の消費空間 サザビーリーグとの合弁で出店加速

 「フライング タイガー コペンハーゲン (以下、タイガー)」表参道店は、10月2日の開店以降、ずっと入場制限が続く盛況ぶりだ。136坪の売り場の1日の来店客数は3000〜3500人が限界。そのうちレジ通過客が約2000組(人)。客単価は2000円強だが、1万円以上まとめ買いして大きな紙袋を抱えている人も珍しくない。運営するゼブラジャパンは、やはり大混雑になった昨年7月の大阪・アメリカ村店の経験を踏まえて、スタッフを増員し、レジを欧州の同じ面積の店の2倍にあたる13台も設置したが、それでも追い付かないほどの人気だ。

「タイガー」は日本の100円ショップとはコンセプトがまったく違う。商品は実用的というよりも、ユニークさやウィットさに軸足が置かれている。クスリと笑わせる商品が多い。店舗は入口からの導線がレジまで一方通行。客は全ジャンルの商品を目にすることになり、思わぬ商品との出合いが演出される。販売スタッフが派手なカツラを被ったり、付け髭を付けているのも気分を盛り上げる。知らず知らずのうちに買い物かごをいっぱいにしてしまう仕掛けだ。商品の約3割は定番品、約7割は短期間で入れ替わり、売り場の鮮度を高めて「タイガー」ファンのリピーターを集める。今後は正月や花見など日本の季節行事にも対応したMDにも取り組んでいく。

 「タイガー」は1995年創業。現在は欧州を中心に19ヵ国、240店を超える店舗を運営する。昨年秋にファンド傘下へと資本体制が変わったことで、海外事業を一気に加速するようになった。日本法人をサザビーリーグと合弁企業に移行したのも、店舗開発のノウハウを持つ同社と組むのが巨大マーケットの日本では得策と判断したからだ。

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