六本木ヒルズの森美術館は、5月31日〜8月31日までの間、「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」を開催する。同展は異なる文化の間、現実と想像の世界の間など、さまざまな境界を自由に行き来する子どもの性質に注目し、子どもの視点を通して世界を展望しようとする試み。世界各国のアーティスト26組の日本初公開を含む作品が集結するほか、子どもをテーマにした映画7本の上映、子どもたちが参加できるワークショップなどを催す。六本木での会期終了後は、名古屋市美術館(2014年11月8日〜12月23日)、沖縄県立博物館・美術館(2015年1月16日〜3月15日)、高知県立美術館(2015年4月5日〜6月7日)を巡回する。
同展のタイトルは、19世紀後半のニューヨークで貧しい移民の暮らしを取材した写真家ジェイコブ・A・リースが、英語の不自由な両親の橋渡しとしてさまざまなな用務をこなす移民の子どもたちを「ゴー・ビトゥイーンズ(媒介者)」と呼んだことから取られている。アメリカのフォトジャーナリズムの草分けであるジェイコブが撮影した子どもたちの写真を始め、混血孤児を養育する施設であるエリザベス・サンダース・ホームの子どもたちを撮影した影山光洋の作品など、貴重な歴史写真が揃う。日本初公開作品も多く、思春期の子どもの意外な表情を捉えたポートレートで国際的な脚光を浴びたオランダのフォトグラファー、リネカ・ダイクストラやマレーシアを代表する社会派アーティストのウォン・ホイチョンの作品、奔放初公開となる奈良美智の「ミッシング・イン・アクション」も展示される。出展作家は以下、クリスチャン・ボルタンスキー(フランス)、リネカ・ダイクストラ(オランダ)、ルイス・W・ハイン(アメリカ)、テリーサ・ハバード(アイルランド)/アレクサンダー・ビルヒラー(スイス)、影山光洋(日本)、菊地智子(日本)、金仁淑(日本/韓国)、近藤聡乃(日本)、小西淳也(日本)、宮武東洋(日本)、トレーシー・モファット(オーストラリア)、スヘール・ナッファール(パレスチナ)&ジャクリーン・リーム・サッローム(アメリカ)、奈良美智(日本)、大竹省二(日本)、ジェイコブ・A・リース(デンマーク)、塩田千春(日本)、ストーリー・コー(アメリカ)、フィオナ・タン(インドネシア)、照屋勇賢(日本)、サンテリ・トゥオリ(フィンランド)、梅佳代(日本)、ウォン・ソンウォン(韓国)、ウォン・ホイチョン(マレーシア)、山本高之(日本)、吉岡専造(日本)、ジャン・オー(中国)。
■ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界
日程:5月31日〜8月31日
会場:森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
開館時間:10:00〜22:00(火曜日は10:00〜17:00)
※いずれも入館は閉館時間の30分前まで
入館料:一般1500円、学生(高校・大学生)1000円、子ども(4歳〜中学生)500円
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
巡回先:名古屋市美術館(2014年11月8日〜12月23日)、沖縄県立博物館・美術館(2015年1月16日〜3月15日)、高知県立美術館(2015年4月5日〜6月7日)