? ファイブフォックスの100%子会社コムサは、カフェ業態「カフェコムサ」の京都祇園店「京 カフェコムサ」を6月14日、八坂神社近くのくろちくビル2階にオープンした。京都ならではのしつらえを取り入れた店内で、京都の素材を生かしたオリジナルケーキを提供。アパレルのファイブフォックスが主要ターゲットとするミッシー、ミセス層と外国人観光客を狙い、初年度約2億円の売り上げをめざす。
「京 カフェコムサ」は店舗面積約350平方メートルで席数95席。店内には床柱のある茶室風の個室や、外国人向けの立礼スタイルに対応した低いテーブルの客席、月見窓をイメージした飾り窓、四季折々の風景を楽しめる中庭など、随所に京都らしさを表現した。ホールケーキのトレイには陶芸家・中村源水による絵皿を使っている。
メニューは、旬のフルーツをふんだんに使ったタルトを10種類以上展開する。日本各地の農家から仕入れた高級フルーツに、西京白味噌や祇園辻利の抹茶など京都の素材を加えてオリジナルの味を追求した同店限定メニューも5種類用意した。舞妓の花かんざしをイメージした「舞妓さんのタルト」や、京都丹波産の黒豆「新丹波黒」と愛知県産いちじく「桝井ドーフィン」のタルトなどで価格は1ピース990?1200円。盛りつけにもこだわり、麩まんじゅうに抹茶をまぶした苔玉や、和三盆と麩まんじゅうで作った枯山水など、皿の上にも京都の風景をあしらった。ケーキはすべて店内で作り、パティシエも接客するなどサービスも徹底する。
出店した祇園くろちくビルは、和雑貨の卸と小売り、京町家の再生などを手がけるくろちくが運営。1階は和雑貨と土産品などのフロア、2階が京カフェコムサ、地下1階がリラグゼーションスペース、3?4階が1泊約16?22万円の高級ホテルで構成する。くろちくの黒竹節人・社長は「ここは富裕層にとって隠れ家的な施設。この5年で徐々に常連客が増えていた。祇園の名所として優良な店舗にしていきたい」と話す。?
一方、カフェ業態の再構築を手がけたコムサの菊地豊・副社長は「この店はカフェコムサの中でもプレミアムラインに位置づけている。キャッチフレーズは『日本ラグジュアリーを食で表現する』。日本を愛する文化度の高い層をターゲットに、今後も出店した土地の食材を使うなど日本の食にこだわっていく」。
カフェコムサは1996年、柏そごうに1号店をオープン。以降、銀座、青山など首都圏を中心に出店し、京都祇園店を含めて現在32店舗を展開する。2013年8月期の売上高は22億5300万円。今期は店舗のスクラップ&ビルドを進め、売上高は20億円になる見通し。7月2日には軽井沢 プリンスショッピングプラザにも出店し、3年で50店舗をめざす。