東京・恵比寿の東京都写真美術館は9月初旬にリニューアルオープンを予定している。同館は大規模改修工事のため2014年9月24日〜16年8月末日まで休館中である。今回のリニューアルは、設備機器を更新し、より安心で快適な施設を実現することを目的にしている。同館は、総合開館20周年にあわせて、新しいシンボルマークとロゴタイプを制作した。また、英語館名「Tokyo Photographic Art Museum」の頭文字から「トップミュージアム」の愛称を決定した。シンボルマークは、「TOP」の文字が写真と映像を生み出す「光」によって映し出されたイメージになっている。ロゴタイプはシンプルで自然な形で、幅広い年代の人の目になじむデザインだ。
同館は16年度の事業をすべて「総合開館20周年」と位置づけ、9月3日から「杉本博司ロスト・ヒューマン」展の開催を皮切りに、さまざまな記念イベントを実施する。現代美術作家の杉本博司は同館の重点収集作家で、大型カメラを用いた精緻な表現が特徴の作品を発表している。同展は、14年パレ・ド・トーキョーで発表し、好評を得た「Lost Human Genetic Archive」展のインスタレーションを、東京バージョンとして制作したものだ。人類の死滅を想定し、遺物となった歴史、文明についての考察を、33の視点から表現する。同展で世界初公開となる「廃墟劇場」の発表も控えており、これは1970年代から制作している「劇場」の新シリーズだ。11月13日まで2階・3階展示室で開催する。同館は展示の他にも、子どもから大人までを対象にした写真・映像のワークショップや写真家や研究者による国際シンポジウムを予定している。