ケリング創業者のフランソワ・ピノーはパリ商取引所を改装し、自身の膨大なアートコレクションの一部を展示する。この計画はアンヌ・イダルゴ=パリ市長と息子のフランソワ・アンリ・ピノー=ケリング会長兼最高経営責任者との共同記者会見で発表された。1万4000平方メートルのパリ商取引所はパリの中心地、ショッピングセンターのフォーラム・デ・アールの付近にある。歴史的建造物としても名高く、「ポール・スミス」や「ランバン」が過去にショーで使用している。
同建物の所有者であるパリ商業会議所は7月のパリ議会の投票の後、建物をパリ市に委託、ピノー家に50年契約で貸し出す。改装は建築家の安藤忠雄の下、2017年初めから開始され、18年にオープン予定だ。なお、ベニスにあるピノー家の美術館、パラッツォ・グラッシも継続する。
「夢を実現する時がきた」とピノー(父)は語る。2005年、ピノーにはフランスの南西部、ブローニュ=ビヤンクールのセガン島に彼のアートコレクションを収容するプライベート美術館を建設する計画があったが、実現できていなかった。「この計画は私の家族、特に息子と共に決めた。この計画が私の家族数世代の共同決定になって欲しい」。
また、フランソワ・アンリ・ピノー会長兼CEOは父親のアートに対する激しい情熱が家族の新たな"冒険"になったと語る。「もし50年後に私がいなかったら、息子がこの"冒険"を引き継ぐことを望むよ」と同氏。「この計画はわれわれの活動、つまり文化的側面と伝統を重んじることにとても共通している。計画の文化的側面とその伝統におけるよりどころはとても重要だ。アート、ファッション間には明らかにつながりがある。わが社のアートディレクターは皆アートに精通している」。
また、同氏は「この計画はパリの魅力を国際的に広めることになり、パリのラグジュアリー・ブランドへの奨励になる」と付け加えた。