ヴィトラ社のショールームや工場クオリティテストセンターなど本社の一部機能を持つヴィトラ キャンパスにヘルツォーク&ド・ムーロン設計の新たな建物Vitra Schaudepot(ヴィトラショウデポ)が6月3日、オープンする。ヴィトラショウデポは、ヴィトラデザインミュージアムのコレクションから厳選した主要展示品を公開するための空間で、カフェやショップも併設する。また、ヴィトラ キャンパスに2カ所目の入り口が増設され、バーゼルとヴァイルアム ラインからの交通アクセスの改良も進んでいる。
ヴィトラデザインミュージアムのコレクションは、世界のデザイン家具の中で最も重要なコレクションとして位置付けられ、7000点以上の家具を有し、膨大な数の照明や数々のアーカイブ、そしてチャールズ& レイ・イームズ、ヴァーナー・パントン、アレキサンダー・ジラードなどのデザイナーの名作がそろう。同ミュージアムは1989年にフランク・ゲーリーによって建てられ、もともとはこれらのコレクションを展示する建物となる予定だったが、現在はコレクションの展示ではなく、企画展のスペースとして活用されている。
ヴィトラショウデポの目玉となるのは、1800年から現在までのコレクションから厳選された400点の主要アイテムの展示だ。初期の曲げ木の家具や、ル・コルビュジエ、アルヴァ・アアルト、ヘリット・リートフェルトなどのモダニズムの巨匠たちによるアイコン的なデザインだけでなく、ポップカルチャー全盛期のカラフルなプラスチックの作品や、3Dプリンターで製作された最近のデザインも並ぶ。これらに関連するテーマでの小規模な企画展示場も併設され、オープン時には1960年代の「ラディカルデザイン」ムーブメントが特集する予定だ。ヴィトラショウデポは、家具コレクションの常設展示と研究機関の中では、世界で最も大規模な施設の一つになる。