蜷川実花の個展「蜷川実花:Self-image」が1月24日〜5月10日、原美術館で開催される。22日にはメディア関係者向け内覧会が開かれた。同展は、蜷川が写真家として活動を始めた頃から断続的に撮りためている白黒のセルフポートレイトをはじめ、新作の映像作品、ある春の日に無心で撮った目黒川の桜など、鮮やかな"蜷川カラー"の作品でなく、普段とはひと味違う蜷川ワールドを楽しむことができるのが魅力。また、もともと邸宅だった原美術館の空間を生かし、蜷川の内面に近づくことが出来るような展示構成になっている。
入館してすぐの第1の部屋は、蜷川の代表的な被写体である金魚や渋谷の街の雑観などの映像を投影したインスタレーション。渋谷慶一郎が手掛けた音響が流れ、3面を使った贅沢な演出になっている。続く第2の部屋「ノワール(noir)」では、同名の写真集に収録する作品と未発表の新作を披露。蜷川が"生身に近い"と語る作品群で、鮮やかに移し独特な世界観を感じることができる。また、次の展示室に進む際に通る階段の窓にも、白黒プリントした作品を展示している。
2階には、カラーのセルフポートレイト、蜷川が夫と別れた春の日に目黒川の桜を3時間程で撮影したという「プラントアツリー(PLANT A TREE)」、一番奥の部屋には、映画「へルタースケルター」の監督を務めていたころに撮影した白黒のポートレイトの順で展示し、奥に進むにつれ、プライベートの姿や感情が伝わる作品が増えていき、徐々に彼女の内面に触れていくような仕掛けになっている。
蜷川は、「この個展では、やりたいことが全て出来た。特に、私の原点である白黒セルフポートレイトをこの原美術館の空間で披露できることを嬉しく思う」と語る。
■蜷川実花:Self-image
期間:2015年1月24日〜5月10日
会場:原美術館(東京都品川区北品川4-7-25)
開館時間:11:00〜17:00(水曜日のみ20:00まで)
入場料:一般1100円、大学・高校生700円、小中生500円
休館日:月曜
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