写真プリント制作を行なうアマナのグループ会社アマナサルトは、世界的建築家・安藤忠雄のポートフォリオ集「ANDO BOX The 1st Round[drawings]」を刊行する。同ポートフォリオ集は最高峰の写真技法であるプラチナプリント技法を用いていて、全2巻30部限定。5月29日からアマナサルト及びイマ コンセプト ストア(IMA CONCEPT STORE)で予約受付をスタートする。価格は250万円からで、エディション数によって価格が上昇するステップアップ制を導入する。
ポートフォリオ集には、安藤忠雄の代表作「光の教会」「水の教会」を含む6点のドローイングのほか、彼が1枚1枚、その手で描いたスケッチ作品も特別に収録する。また、これらの作品は同氏が本エディションのためにデザインした特性ボックスに収まる。加えて、30×44インチというプラチナプリントでは最大級のサイズで制作された「中之島プロジェクト�U」の2点組の作品もボックスとは別で梱包される。プラチナプリント技法は、従来の銀塩写真や版画に増して豊かな階調と漆黒の奥深さが表現できるうえ、光学技術ならではの高精細を誇るため、安藤の筆致の一筋一筋までもが精緻に、肉筆に触れるがごとく再現されているという。プラチナを用いたことでその耐久性は1000年に及ぶ。
「建築は、最初のスケッチで骨格が決まってしまうものだ。一瞬の手の動きが、すべてを決定するのである。アイデアをまとめる時、ふと、自分の手が引いた一筋の線に、今まで見て歩いた建物や空間の記憶の断片がよみがえったものなのかどうか、わたしにはわからない。ただ、ひとつ言えることは、自らの肉体を通した空間体験があってこそ、描く一筋の線は意味を持っているということだろう。私のスケッチのいくつかの線の重なりは、単なる抽象的なものではない。そこには、実体としての空間があり、またそれが存在し続けようとする意思が込められているのだ」と安藤は語る。
アマナサルトは、2012年4月にハイクオリティな限定版写真集を印刷・出版するサルト・ウルビーク社(Salto Ulbeek)とアマナの合弁会社として設立。プリンティングディレクターにプリンターとして40年のキャリアを持つ久保元幸を迎え、プラチナプリントを始めとした最高峰の写真技法を駆使してポートフォリオ集、写真集、プリントを企画制作し、全世界に向けて販売している。
■ANDO BOX The 1st Round[drawings] 予約可能日:2014年5月29日〜
価格:250万円〜(税抜き)
購入方法:アマナサルト、IMA CONCEPT STOREにて
エディション数:限定30部
※エディションによって価格が上昇するステップアップ制