「サマーソニック(SUMMER SONIC)」の前夜祭「ソニックマニア(SONIC MANIA)」が15日、幕張メッセで開催された。ロックリスナーにも親しみやすいダンスアクトが特徴の同イベントは、国内有数の巨大レイヴパーティとしての顔も持ち、2011年から現在のサマソニ前日のオールナイトイベント形式で開催されている。今年は国内外14組のアーティストがライブとDJセットを繰り広げた。
トップバッターに登場したのはドイツ電子音楽グループの重鎮クラフトワーク(KRAFTWERK)。衣装は発光ラインが格子状に走るアイコニックなボディスーツだ。3Dメガネを観客に配布し、音と光と立体映像のシンクロする演出を見せた。3Dメガネは外見もユニークで、1万人越えの観客が着用する姿には一体感があった。ヘッドライナーのカサビアン(KASABIAN)は、フロントマンの2人がファッショニスタぶりを発揮。ヴォーカルのトム・ミーガンのシャツは、白黒のピンドットとジグザグの白地が切り替わった前身頃で、さらに袖が大きさの違うドット柄という、ロックスター然とした派手なものだった。ギターのサージ・ピッツォーノは、シンプルな白Tシャツを「ジースター ロゥ(G-Star RAW)」のモデルも務める大きな体躯を生かしてクールに着こなす。トレードマークのハットも健在だ。ダンス・エレクトロに傾倒した最新アルバム「48:13」の楽曲は「ソニックマニア」との親和性が高かった。邦楽勢から参加のサカナクションは、普段の夏フェスとは違う異色のセットリストで挑んだ。10分を超えるミニマルテクノが基軸の構成で流れを作り、レイヴ色を演出した。彼らは「サカナトライブ(SAKANATRIBE)」という名前での野外レイヴ開催を標榜し、今年のライブツアー名にも同タイトルを掲げていたが、その片鱗を垣間見たアクトだった。
また今年、フロアの入場規制ギリギリの動員をEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)勢がこぞって見せた。特に"EDMの貴公子"の異名を持つドイツ出身DJのゼッド(ZEDD)は、歌心を持った楽曲が光り、パーティアンセムと化した「ステイ・ザ・ナイト」「クラリティ」の投下で、会場の観客が飛び跳ね起こる地響きを轟かせていた。
来場者のファッションはクラブシーンに通じるものがある。女性は、ノースリーブトップスにデニムショーツか膝上丈のスカート、もしくはミニワンピを合わせたルックが多い。踊りやすさを意識したラフなスタイルだ。水着の着用も見られるなど、露出度も高い。色はネオンカラーを、柄では宇宙的なグラフィックを取り入れるなど、インパクトのあるコーディネートが多いのも特徴だ。また今年は、オールホワイトのルックも目立った。男性はTシャツにショートパンツの夏フェススタイルを踏襲しつつ、ショートパンツの丈が短め。ボトムにスキニーパンツを選択したり、タイトでミニマルなコーディネートが人気だ。その他、フェイスペイントを施したり、髪に大ぶりのレイを載せていたり、パーティ感覚が強いことも上げられる。オールナイトイベントで映える、首や手首、足首につける発光バンドがトレンドアイテムだ。
同会場では本日16日から、「サマーソニック2014」が開催される。ヘッドライナーにイギリスのロックバンド、アークティック・モンキーズ(ARCTIC MONKEYS)を迎え、国内外から全76組のアーティストが出演する。