「ユニクロ」は、英国生まれでニューヨークを拠点に活動するハナ・タジマ=デザイナーとコラボし「ハナ タジマ フォー ユニクロ(HANA TAJIMA FOR UNIQLO)」をスタートした。機能性とファッション性を兼ね備えたライフウエアをコンセプトとするユニクロが、着心地やゆったりとした服を求める女性のニーズに応えるためにイスラムの伝統服を取り入れた新しいコンフォートウエアを提案する。「ユニクロ」はグローバル展開をさらに推進するために、ローカルの需要に合わせつつ、グローバルで販売できる商品開発を強化しているところで、その象徴的なラインといえる。
30日に行われた会見でタジマ=デザイナーは、ヒジャブ(1990円)と呼ばれるイスラム教徒の女性が髪を覆う被り物を着用して登場。モデルは、父親の陶芸衣装からインスピレーションを得たというシャツなどでスタイリングした。タジマ=デザイナーは「ライフウエアとは、つまり"モデスト(=控えめな)ウエア"。ユニクロのエッセンスを加えて新しいムスリムウエアをデザインできた。ムスリムに関係のないさまざまなバックグラウンドを持つ女性に着てもらいたい」と話した。また、ラグジュアリーブランドも注目するムスリム・ファッションについて「世界人口の4分の1がイスラム教徒であり、多くの人がムスリム向けの伝統服を着ている。トレンドもバラエティーに富んでいるが、ファッション業界に注目してもらうことで、今後方向性が見えてくるのではないか」。
勝田幸宏ファーストリテイリング執行役員は「ユニクロの機能素材を使うことで、ライフウエアに新たなコレクションを加えられた。昨年の秋冬コレクションは東南アジアのみでの展開だったが、その後世界的に評価され、日本での販売に至った。使い方や着こなしによってさまざまに可能性が広がるムスリムウエアを楽しみながら着ていただきたい」と話した。
ラインアップは、女性が髪を覆うヒジャブ(1990円)、ジャケット(4990円)やパンツ(2990〜3990円)、ロングワンピース(4990円)、バジュクロンと呼ばれるノーカラーのシャツ(3990円)、ロングカーディガンのような上着のカバヤ(4990円)、など、全33型109色柄。
「ハナ タジマ フォー ユニクロ」は、2015年秋冬コレクションからマレーシア、シンガポール、インドネシア、タイで販売後、16春夏コレクションからフィリピン、アメリカ、イギリスで販売していた。今シーズンからユニクロ銀座店、吉祥寺店、心斎橋店、ビックロ ユニクロ新宿東口店、オンラインストアで販売する。