ファッション

「ヴァレンティノ オート クチュール」2016-17年秋冬オートクチュール・コレクション

REPORT

優美なバレエの世界から導くリアリティー

 会場の中央にはグランドピアノが置かれ、女性ピアニストの生演奏とともにショーが幕を開けた。そんな今季の出発点は、“どんなデジタル機器を使っても再現できない、実際に人が肌で感じる必要な体験”。バレエや音楽のパフォーマンスからイメージをふくらませ、しなやかで優美な世界を描いた。

 デザインの鍵となるのは、チュチュやラインストーン、リボンなどバレエの衣装をイメージさせる要素だ。レースやシフォンの繊細なドレスを彩るのは、ロシアンバレエからヒントを得た抽象柄。その一方で、襟ぐりの深いタイトなインナーやレギンスはレッスン着をほうふつとさせる。職人の手仕事や上質な素材を駆使したドレスやスカートに、オフタートルのリブニットや白いシャツ、キャミソールを合わせるコーディネートには、現代に合わせてアトリエの力をリアルな提案に落とし込むブランドの姿勢を見る。

 黒のシリーズから始まったコレクションには、次第にダスティーなパステルカラーで彩りを加えていく。中でも今季のキーカラーはヌーディーなピンク。素材は、ベルベットやジョーゼットなどしっとりとした質感のものが特徴的だ。また、メンズライクなミリタリーコートやハイネックのロングドレスなど、シンプルでタイムレスなアイテムも多い。

 バッグは、ベルト状のハンドルとチェーンストラップが付いたフラップバッグが新登場。太く短いギターストラップの付いたショルダーバッグを斜め掛けするスタイルも目を引く。足元はバレエシュースのアレンジが豊富で、そこにメンズライクなレースアップブーツがアクセントを加える。

LOOK

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。