「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は、デムナ・ヴァザリア=クリエイティブ・ディレクター就任後初となる2016-17年秋冬の広告ビジュアルを公開した。日常の中にある"クチュール・アティチュード"を表現するため、フォトグラファーのマーク・ボスウィック(Mark Borthwick)がパリのストリートで撮り下ろした。また、スタイリングはロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)、ヘアはゲイリー・ヒル(Gary Hill)、メイクはインゲ・グログニャール(Inge Grognard)が手掛けた。
過去には、ジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)やジェニファー・コネリー(Jennifer Connelly)などのスーパーモデルやセレブを用いてきた同ブランドだが、デムナは3月に開催した16‐17年秋冬コレクションのショーに登場したモデルを起用。ひび割れした壁や汚れたタイル壁を背景に、モデルが紙コップでコーヒーを飲んだり、バスを待っていたり、プラットホームブーツでを履いてただ歩いている様子をとらえた。真っ赤なダウンコートを着て鏡の前を通り過ぎるモデルのカットには、配送車が鏡に映り込むなど、日常のような風景のショットがそろう。デムナは「僕たちが普段働いたり、暮らしている"リアル"な環境の中で撮影をしたかった。マークの美学の中にある"リアル"なアプローチが、彼を選ぶ大きなポイントになった」と語る。
その"リアル"なビジュアルは、デムナがヘッドデザイナーを務める「ヴェトモン(VETEMENTS)」のインスタグラムアカウントに投稿される画像の雰囲気を反映している。「バレンシアガ」はそれを「計算されておらず、自然発生的だ」とコメント。デムナは「ビジュアルのレイアウトは、私の創作手段の鍵」と話す。また、「バレンシアガ」においてはアイテムをリストアップしてからコレクションを作り始める、"ワードローブ アプローチ"をとっているという。今後、有名人をビジュアルに起用するか聞かれたところ、「僕の洋服を着てくれる"ニュー・バレンシアガ・ウーマン"が私にとってのセレブだ」と語った。
なお、同ビジュアルは7月初旬から、新聞を皮切りに展開される予定だ。