「ディオール(DIOR)」は7月8日、新たなアーティスティック・ディレクターにマリア・グラツィア・キウリ前「ヴァレンティノ(VALENTINO)」クリエイティブ・ディレクターが就任することを正式発表した。7日に「ヴァレンティノ」が彼女の退任を公表したばかりだ。
キウリ新アーティスティック・ディレクターは、ブランドにとって7人目にして初の女性クチュリエとして、来週から「ディオール」でのクリエイションに取り掛かる。オートクチュールやプレタポルテ、アクセサリーコレクションを統括し、パリ・ファッション・ウイーク中の9月30日、2017年春夏コレクションでデビューする予定だ。また、「ディオール」が創業70周年を迎える来年1月には、キウリ新アーティスティック・ディレクターによる初のオートクチュール・コレクションを披露する。彼女は現在、自身のブランドを手掛けておらず、「ディオール」に専念することになる。
キウリ新アーティスティック・ディレクターは、「『ディオール』への就任をとても光栄に思っている。フェミニニティーの純粋な表現をルーツに持つメゾンの、クリエイションを指揮する初の女性として責任も感じている。ブランドが受け継いできたヘリテージは今もファッションの世界に多大な影響を与えており、私もここで自分自身のビジョンを表現することをとても楽しみにしている」と意気込んでいる。
シドニー・トレダノ=クリスチャン ディオール クチュール社長兼最高経営責任者(CEO)は、彼女のクチュリエとしての技術やレザーグッズ分野での豊富な経験、そしてブランドを統括する者としてのリーダーシップを褒め、「女性を起用したいと以前から考えていた。そしてこの職にピッタリの女性を見つけた」とコメントした。
ベルナール・アルノーLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン会長兼CEOは、「彼女は素晴らしい才能を発揮しており、国際的な評価も高い。ムッシュ・ディオールが確立したヘリテージと格式を引き継ぐ『ディオール』の女性像を、彼女はエレガントでモダンな視点から再解釈してくれるだろう」と話す。
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MILES SOCHA, LUISA ZARGANI
訳 山河清礼奈