建築家・安藤忠雄による展覧会「Drawing, Photograph, Maquette」展が8月28日まで、銀座のギャラリースペース「AKIO NAGASAWA Gallery | Publishing」で開催中だ。同展では、安藤忠雄が手掛けた日本の代表的な作品の数々をドローイング、写真、マケット(コンクリートの模型)で振り返ることができる。なお、同展の写真は全て安藤忠雄本人が撮影したもので、ドローイングもこの展覧会のためのオリジナルだ。
会場に入るとすぐ、“住吉の長屋”が目に入る。この作品は1976年に竣工し、79年に日本建築学会賞受賞を受賞した初期の代表作。関西地区に根付いた集合住宅の一種であり、自身も幼少期の頃過ごした経験を持つ“長屋”の住み方を現代風にアレンジしたものだ。
1/10スケールで作られた“住吉の長屋”のマケットは、ドローイングと写真とのセットで購入が可能。
会場中央では、代表作“茨木春日丘教会”がお出迎え。“光の教会”として知られるこの作品は、89年に竣工。礼拝堂の祭壇後ろのコンクリートの壁に縦と横のスリットで十字架を描き、スリットから光が差し込む仕組みとなっている。写真とドローイングの横には、展覧会のオープニングレセプションの際に安藤忠雄が来場して描いたドローイングも。
こちらの“光の教会”マケットは1/20スケールで作られており、十字のスリットから内部まで精巧に作られている。
会場中央左には、20年近い歳月を経て作られた“六甲の集合住宅”の展示がある。六甲の傾斜角度60度の急斜面に作られたこの集合住宅は、作られた時期によってⅠ・Ⅱ・Ⅲの3棟からなり、実際に住むこともできる。
会場中央右には、“大阪府立近つ飛鳥博物館”の展示がされている。94年に開館した同作品は、同年に日本芸術大賞 朝日賞を受賞するなど、安藤忠雄自身も代表作にあげている。
同展では、安藤忠雄が手掛けた「小篠邸」の写真とドローイングも展示している他、関連書籍の購入も可能だ。
■イベント概要
イベント名:安藤忠雄 Drawing,Photograph,Maquette
日時:6月24日~8月28日 11:00~19:00
休館日:月曜日、火曜日
※ただし8月8日~16日は休館
会場:AKIO NAGASAWA Gallery | Publishing(東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F)
料金:無料