国内最大級の野外音楽フェス「フジロックフェスティバル ’16(FUJI ROCK FESTIVAL’16、以下フジロック)」が7月22日、新潟県湯沢町の苗場スキー場で開幕した。「自然と音楽の共生」を目指し、1997年の開催から今年で20回目の開催となった同フェス。24日までの3日間で、国内外の約250組のアーティストがライブを披露する。 快晴の1日目は、沢尻エリカや水原佑果、吉田沙世、内田聡一郎「ベチカ」ディレクターらの姿を会場で見ることができた。
来場者のファッションで頻繁に目につくのは、柄物や刺繍の入ったカフタン、サングラスとバンダナの合わせ、ターコイズのアクセサリー、ヘアバンドなど、ヒッピー要素が垣間見ることができる装いだ。以前から一定数見ることができたスタイルではあるが、今年は特に多い。というのも今年は、世界的にネイティブアメリカンから影響を受けた70年代のボヘミアンルックやラウンド型のサングラス、フリンジがフェストレンド。これはフジロックのルーツともなっているイギリスの大規模野外音楽フェス「グラストンベリー・フェスティバル(Glastonbury Festival)」や、アメリカ最大の音楽フェス「コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル(Coachella Valley Music and Arts Festival)」からくる流行で、日本のフェスにもその波が来ているように感じられた。
初日のヘッドライナーを務めたのは、3年ぶりの来日となるアイスランドが誇る3ピース・バンド・シガー・ロス(Sigur Ros)だ。ボーカルのヨンシー・ビルギッソン(Jonsi Birgisson)は、シックな衣装に身を包み、楽曲を披露。ヘッドライナーらしい、堂々としたパフォーマンスとスクリーンに映し出される美しい映像で観客を魅了した。iTunesスタッフが選ぶ2015年のベストニューアーティストにも選ばれた「サチモス(SUCHMOS)」のボーカル・ヨンス(YONCE)は、トレードマークの「アディダス」のジャージに白Tで登場した。他にも元ミッシェル・ガン・エレファント(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)のチバユウスケ率いるザ・バースデイ(The Birthday)は、バンドらしさ全開の全身黒で統一されたスタイル。オーストラリア発のディスコ・デュオであるフライト・ファシリティーズ(Flight Facilities)は、ユニット名にちなんだパイロットをイメージさせる衣装。アメリカ発のトリップ・ホップバンドであるジ・インターネット(The Internet)は、バンドらしいストリート色の強い色味とシルエットに加え、ポケモンのTシャツを着用。新進気鋭の3ピース・バンド「ダン(D.A.N.)」でベースを担当する市川仁也は、ゆったりとした茶色のセットアップをうまく着こなす他、映像と照明が作り上げた会場の雰囲気はバンドの空気感を見事に表現していた。