「家」をキーワードに企業と建築家らがコラボした展覧会「ハウスビジョン 2016 東京(HOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITION)」が7月30日、東京・青海で開幕した。同展は2013 年に続き2回目。「家」を未来産業の交差点と見立てるプロジェクトで、今年は15社の企業と13組の建築家・クリエイターがコラボレーションした13の空間が登場した。今年のテーマは「分かれてつながる/離れてあつまる(CO-DIVIDUAL)」。集団の中の個、個の集合のかたちが問われる今、近未来の「家」や「空間」の新たな可能性を探る展覧会だ。
特設会場内には、三越伊勢丹と谷尻誠・吉田愛による日本人の五感に訴えるリフォーム提案「遊動の家」や無印良品とアトリエ・ワンによる都市と農村の2拠点居住を構想した「棚田オフィス」、大東建設と藤本壮介による賃貸住宅の在り方の再定義「賃貸空間タワー」などが展示されている。
今年は海外から「暮らすように旅をしよう」というコンセプトで注目のコミュニティー主導型ホスピタリティー企業のairbnbも参加。建築家の長谷川豪や奈良県と協業で「吉野杉の家」を展示する。この展示のテーマは「コミュニティーがホストになる家」で、展示後は奈良県・吉野へ移され、airbnbに登録される。
会場の入り口の住友林業緑化とプラントハンター西畠清順が率いる「そら植物園」による推定樹齢1000年のオリーブの古木「広場のオリーブ」も見所。会場内のイベントホールには、代官山蔦屋書店がサテライト出店しており、約3000冊の「住まい」をテーマにした本を展示販売。ラウンジスペースは「カッシーナ・イクスシー(CASSINA IXC.)」の名作椅子に座ってくつろげるようになっている。同ホールでは、参加企業の代表やアーティスト、デザイナーなどによるトークセッションを日々開催。ほか、奈良県主催による特産品とビールの店舗や日替わりでフードを提供する本日のキッチンンカーなどがあり、家族連れで楽しめる展示になっている。
展覧会のディレクションは日本デザインセンターの原研哉・社長で、企画コーディネートは建築家の土谷貞雄、会場構成は隈研吾が行った。
益成恭子