ファッション

三陽商会、今期95億円の最終赤字へ 追加で来期5ブランドを撤退

 三陽商会は、2016年12月期業績が95億円の最終赤字を計上する見通しだ。期初予想は3億円の黒字だった。過去最大の赤字になる。昨年6月末で契約終了した英「バーバリー」の後継として投入した「マッキントッシュ ロンドン」および「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」の販売が計画を大幅に下回ったため。売上高は700億円(期初予想は770億円)、営業損益は68億円の赤字(同20億円の赤字)、経常損益は66億円の赤字(同17億円の赤字)にそれぞれ下方修正する。

 「マッキントッシュ ロンドン」および「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」は知名度の低さもあって、上期(1〜6月)は計画比82%に沈んだ。挽回策として「マッキントッシュ ロンドン」では当初は予定していなかった春夏物のクリアランスセールも実施した。これ以外にも主力販路である百貨店の婦人服は、暖冬もあって低迷を余儀なくされた。

 厳しい業績を受けて、同社は14年5月に発表した中期経営計画を一旦取り下げ、10月に修正した新しい新中期経営計画を策定する。6月に発表した約250人の希望退職者募集のほか、2月には「ルジュール(LE JOUR)」を撤退、8月には「ビアンカ エポカ(BIANCA EPOCA)」、ウィメンズ部門の「プリングル1815(PRINGLE 1815)」、Lサイズの「アマカ(AMACA)」も閉鎖する。加えて17年上期以降も5ブランドの撤退を計画していることを明らかにした。

 杉浦昌彦・社長は29日に行われた会見で、「弊社の長い歴史の中でも大きな転換期だ。今後、経営改革委員会を立ち上げ、全社一丸となって強化していきたい」と話し、「来期(17年12月期)は黒字にしたい」との見通しを述べた。

林芳樹

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