トウキョウベース(TOKYO BASE)のステュディオス(STUDIOS)は7月30日、渋谷パルコの建て替えに伴う閉館を目前にトークショーを開催した。ゲストに中章「アキラナカ(AKIRANAKA)」デザイナーと、堀内太郎「タロウホリウチ(TARO HORIUCHI)」デザイナーを迎え、司会進行を松下久美「WWDジャパン」シニアエディターが担当。"インカネーション(転生)"をテーマに、アントワープ王立芸術学院の先輩後輩関係にある2人が、それぞれのクリエーションやデザイナーになったきっかけ、渋谷パルコでの思い出などを語った。
自身のクリエーションについて、中デザイナーは「これまでは、"デイリーにプレタをまとう"をブランドコンセプトにかかげてきたが、2シーズン前から"アティチュードをまとう"に変更した。日常のギアをシフトできるような着た人の日々を豊かにし、街を彩るような服作りを目指している」と説明し、海外展開については「パリには世界中のものが集まっている。近い将来、海外のお客さまにもコレクションを披露できたら」と海外への意気込みも語った。
堀内デザイナーは「古代美術関係で仕事をしていた父の影響で、アートが常に近い存在にあった。そのアートの面白さや楽しさをいろんな人と共有できるように、モノ作りでは人との出会いを大切にし、アーティストとコラボレーションを行うなど、コミュニケーションを取り合うことを心掛けている」と言う。
また、閉館する渋谷パルコについて、中デザイナーは「パルコとバンタンのインキュベーションプロジェクト『エクシード(X-SEED)』でお世話になり、パルコのクリエイターに対する理解や寛容さは素晴らしいものだと感じた。未来の渋谷パルコも、若者たちが可能性を探しにくる場所として、パワーアップすることを楽しみにしている」と語った。堀内デザイナーは「ブランドの2回目のコレクションで、クリエイティブ集団のトマト(TOMATO)の創立メンバーであるジョン・ワーウィッカーとコラボレーションしたことがあり、渋谷パルコで開催されたトマトの企画展は思い入れがあるものだった。改装後も、文化を発信する総合的な商業施設として、戻ってきてくれることを期待している」と話した。
トークショー終了後には、ステュディオス渋谷パルコ店の店頭でデザイナー2人が接客を行うイベントも行った。この日を記念した別注アイテムも用意し、デザイナー自ら顧客へ商品をアピールした。
なお、ウィメンズ旗艦店として運営してきたステュディオス渋谷パルコ店は、メンズのみを取り扱っていた神南店内に移転。8月12日にメンズとウィメンズ複合のグローバル旗艦店「ステュディオス トウキョウ神南店」としてリニューアルオープンする。
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大杉真心