ビジネス

アシックス、米国苦戦で減収減益 16年1〜6月期

 アシックスの2016年1?6月期連結決算は、売上高の4割近くを占める米州(北米・南米)市場の低迷が響き減収減益となった。売上高は2106億円(前年同期比95.0%)、営業利益は193億円(同91.2%)、純利益は118億円(同81.6%)だった。特にアメリカでの苦戦が続いており、米州の売上高は同82.7%(為替の影響を除いた場合は同88.2%)となった。急伸していた東アジアも米州の低迷をカバーするには至らなかった。同社は売上高の約7割が海外市場のため、円高による収益の目減りも逆風になった。

 一方で、中国市場は同185%(人民元ベース)と飛躍している。従来は「オニツカタイガー」などのライフスタイル部門が主力だったが、高価格帯のモデルを中心に、ランニングシューズが同152%と急伸した。尾山基・社長は「中国は今年から全国民にスポーツをさせようという国策を始めており、国全体の健康志向が高まっている。その追い風を受けたい」と語る。米州への対策は「アメリカでは(昨年)10月に新しいCEOが就任し、社内が新体制になった。拠点もボストンに移し、万全の体制で立て直していく。アメリカのランニング人口はまだまだ増加しているというデータもあるので、市場全体はまだ伸びると考えている。実店舗、eコマースなどの各チャネルに適した商品を置けば上向いていくはずだ。また、来年6月からイノベーティブ(革新的)な新商品を順次発売していく予定なので、来年は強い動きが出ると思っている」と語る。

 通期予想は売上高4030億円(前期比94.0%)、営業利益230億円(同83.8%)、純利益135億円(同131.9)を見込んでいる。

大塚千践

関連タグの最新記事

ビジネスの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。