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40歳のエイ・ネット新社長が目指す 社員の力を100%引き出す経営

 7月1日付でエイ・ネットのトップに大滝雄一郎・新社長(40)が就任した。同社はイッセイミヤケのグループ会社で、「ツモリチサト(TSUMORI CHISATO)」や「メルシーボークー、(MERCIBEACOUP,)」「ネ・ネット(NE-NET)」などの6つの個性豊かなデザイナーズブランドを運営する。今年20周年を迎える節目の年に、若き社長が仕掛ける次なる戦略とは。

WWDジャパン(以下、WWD):これまでどのようなキャリアを歩んできたのか。

大滝雄一郎エイ・ネット社長(以下、大滝):1999年に新卒入社し、店舗スタッフや営業、商品計画、広報などを経験してきた。職種を問わずいろんなことに挑戦でき、ブランド事業を体得した。幸いにもデザイナーの近くで仕事をすることが多く、モノづくりの大切さと大変さ、楽しさを間近で見ることが出来た。2013年、37歳で副社長に就き、現場の近くで経営に携わってきた。

WWD:改めてエイ・ネットの強みは?

大滝:ジャンルの異なるブランドを持ち、提案性が高く、モノ作りのバックボーンがあること。社長に就任した際、「心が躍るモノ・コトを」というスローガンを社員に伝えた。これは、当社のブランドがお客さまをワクワクさせたり、心が豊かになるような商品やサービスを提供し続けようということ。例えば、“モノ”は「ツモリチサト」の柄ワンピースを着ることでハッピーな気持ちになったり、「プランテーション」の着心地のいいシャツを着ると優しい気持ちになるようなイメージだ。“コト”は個性豊かなショップスタッフたちによる接客のサービス。モノとコトを通して、幸福感を提供することが、求められていることだと感じている。

WWD:20周年の節目だが、どのような戦略で戦うのか。

大滝:一番意識するのは、社員の力を100%引き出す経営をしていくこと。現在約700人いる社員たちの働きやすい環境をつくるため、意識改革が必要だ。財務面だけでなく、社内を活性化し、生産性をあげるために組織を刷新する。モノ・コトを最大限に発揮できる店頭は、改めて販促や接客を徹底していくことで、より強く、存在感のある場所にしていきたい。モノ作りでは、品番数をしぼり、一つ一つ時間をかけて作ろうと試みている。丁寧な仕事は、必ず結果を生む。アナログになりがちだが、しっかり魂を込めたモノ作りをしていきたいと思っている。直近の商品対応も行いながら、中長期の商品開発も力を入れたい。

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