大滝:各ブランドに顔になる商品があり、それこそがそれぞれのブランドの強みだと感じている。「メルシーボークー、」は、サルエルパンツがロングセラー。このように時代やトレンドを超えて、ずっと愛されるアイテムを作ることが大切だ。一方で、市場を見ながら、各ブランドのテイストを生かしながら価格や素材、デザインを取り入れることも必要だと考え ている。
WWD:人材面ではどのような取り組みを行うのか。
大滝:新卒入社の社員が多いので、人材教育はさらに強化していきたい。ブランド愛や会社愛を育みながら、目標を明らかにして、日々の業務を通じてモチベーションを上げていきたい。また、エイ・ネットの源は、クリエイティブなモノ作りなので、もっと創造性を引き出さなければならないと考える。現在、当社だけではなく、業界全体で安全な選択を選びがちな傾向にある。もっと、チャレンジ精神をもって、失敗も認められる風土にしなければならない。前年踏襲の既成概念もあるが、これまで培ってきたものをより発展させて、心を躍らせ続けられる会社にしていきたい。
大滝:順調に売り上げを伸ばす「ズッカ」は、エイ・ネットの看板ブランドとして、さらに成長させたい。海外の卸拡大のため、メーンコレクションの発表時期をプレコレクションの時期に変更してから2年が経ち、軌道に乗り始めた。展示会時期を早めたことで、商品のクオリティーを上げることができ、デリバリーも安定した。現在、パリとミラノ、ニューヨークで発表している。 経済情勢で言えば、今はいい環境とは言えないが、まだまだ伸びしろはある。今年26年目を迎える「ツモリチサト」は、10〜60代まで幅広いお客さまにご愛顧いただき、「ツモリ」らしい世界観を生かすことが大切と感じる。アジアを中心に海外の売り上げも好調だ。現在、より強いブランドイメージを打ち出すためブランドの活性化策を仕込んでいる。10年目の「メルシーボークー、」は、ブランドの“楽しさ、元気さ” の持ち味をより幅広いお客さまに発信できるような施策を考えている。他ブランドもそれぞれの財産を見直して、さらに磨きをかけたい。