WWD:「WWDジャパン」では8月8日号でデニム特集をするなど、デニムは重要なファッションアイテムだと捉えている。「アクト ガールズ」のデニムの特徴は?
土屋:普段はダメージデニムが好きなんですけど、今回はあえてダメージしすぎませんでした。その分、生地を薄くして、体に密着性の高いものにしているので、動いていて自然に自分なりのダメージが出るようになっています。シルエットもきれいにし、はき心地も良くしています。頑丈なデニム、というよりも肌にピタッとくっつくデニムです。体のラインが出るので、「出す楽しさ」をみんなに感じてもらえれば、と思っています。
WWD:タイトなシルエットが多い?
土屋:今はオーバーサイズがはやっているので、ファッションとして、また、体形カバーとしてオーバーサイズのトップスなどもあります。ただ、私が常にカッコイイなと思うのは、ケイト・モスとか、ラフだけどクールで品があるスタイル。どんな時代になってもカッコイイし、ときめいているところがある。私も今年32歳になるけれど、ブラさずに、クールでカッコイイところを突き詰めていきたいですね。
WWD:一目見て、「アクト ガールズだな」と分かるようなブランドのアイコンは?
土屋:あります。分かりやすいものがいいな、と思っているし、それがかっこよくて、アイコン自体が服の一部になるようにしよう、という考えを持ってやっています。ぜひ商品を見てもらいたいですね。それと、ブランドマークとして、唇のマークを作りました。真っ赤な唇の間から覗くすきっ歯具合もミリ単位でこだわりました。
WWD:ひとつひとつが渾身の作になったと?
土屋:そうですね。シンプルって、本当に難しいんですよ。白いTシャツってどこにでも売っているんですけど、どうしたら自分っぽくなるのか。ちょっとしたダメージだったり、形だったり、誰も気付かないんじゃないか、というところまでみんなで話合って作り上げていきました。
WWD:ちなみに、アンナさんの家のクローゼットはどんな風?
土屋:好きなものだけしかないかな。革ジャンだったらずっと昔から着ていて、愛着のあるものだけをそろえています。あとはワンピースなどの仕事上楽な服。でもウォークインクローゼットのような風にはなっていないから、みんなのモデルのクローゼットのイメージとは違って超庶民的です(笑)。いらない服はあげちゃうし、普通のクローゼットにズラッと並んでいる感じ。バッグも好きなものが決まっているのでそこまで数は持っていない。ただ、オンとオフの差が激しいので、「ヴァレンティノ」の全て手刺繍の100万円くらいするドレスとかもあります。1回着たらその後いつ着られるんだろう、とは思うけど、好きだからずっと持っていたいんですよね。基本的には革ジャンにしてもドレスにしても、流行ではなく、自分の価値観で「いいもの」をそろえています。「アクト ガールズ」でもTシャツに革パン、っていうオフスタイルの一方で、「誰が着るの!?でもかっこいいよね」というレベルの高いものも提案していくつもりです。
WWD:ECでの販売が主となるが、情報発信など、消費者とのコミュニケーションについて考えていることは?
土屋:スタートしてみて、どういう人が興味を持ってくれるのか、どのアイテムが売れるのか、それを見てから考えたいです。ポップアップショップなども展開していく予定です。お客さんに合わせたい、という気持ちももちろんありますが、ブランドの軸はぶらさずに、エッジを立てることで、逆にお客さんの方からブランドに興味を持って来てもらうようにしていきたいです。それと、「これはちょっと難しくない?」というようなアイテムも「こうすればかっこよく着られるよ」と提案していきたいです。男性も含めて、同じアイテムを100人で100通りのコーディネート画像で見せるとかもやってみたい。
WWD:ブランドの将来の展望は?
土屋:やっぱり海外ですよね。先日チリでライブをやり、今月も上海でライブを控えていたり、各地に行く機会があるんですけど、そこでもたくさんお客さんがいて、「アンナさんと同じものが着たい」と言ってくれる人がいる、と実感しています。だから日本だけにとどまらず、いろいろなところで評価を受けてみたい、という思いがあります。海外ECサイトなどを通じて販売していければいいですね。
WWD:ライブ会場などで売る考えは?
土屋:予定してなかったし、さすがに革パンとは売れないんじゃないかな。でも、革ジャンならもしかしたら売れるかも。考えてみようかな(笑)。