ルックの2016年1〜6月期連結決算は、売上高が前年同期比88.4%の206億円、営業損益が7800万円の赤字(前年同期は7500万円の黒字)、経常損益が8100万円の赤字(同2億9100万円の黒字)、純損益が2億8900万円(同9600円の黒字)だった。昨年7月の「トリー バーチ」の契約終了による減収に加え、円高によって韓国子会社の収益が目減りしたことが響いた。
5日の会見で多田和洋・社長は「婦人服を中心にしたアパレル業界を取り巻く環境は依然厳しい。消費増税以降、節約志向が続き、本当に欲しいものを吟味をした上で購入する堅実な消費スタイルが定着した。多様化する選択肢の中から、どのようにお客さまに選んでもらえるかが、アパレル各社の進化に問われている」と話した。
2月に発表した新中期経営計画では、既存事業の収益向上と積極的な新規事業開発、EC事業の拡大の3つの戦略を掲げている。今秋には、新たなナショナルブランド(NB)を発表する。同社のインポート事業で培ったブランディング力を生かして、働く女性をターゲットに17年春夏に百貨店を中心に出店する。「NBは全体的に市況が厳しい。弊社10年ぶりの新NBは将来的に弊社の基幹ブランドにしていきたい」と多田社長。インポート事業では、16年春夏にオランダ発デニムブランド「デンハム」と合弁会社を設立。一方、同シーズンに「ポール & ジョー」の独占販売契約とライセンスを終了している。
今回の決算を受けて16年12月期の業績予想を下方修正した。売上高420億円(当初予想は425億円)、営業利益4億円(同6億円)、純利益2億円(同5億円)へそれぞれ引き下げる。
大杉真心