免税店最大手のラオックスの2016年1〜6月期は、訪日外国人観光客による爆買いの失速によって純損益が4億6400万円の赤字(前年同期は46億円の黒字)に転落した。客数は実績を上回ったものの、時計、宝飾品、家電などの高額品のまとめ買いが急減したことで、客単価が大幅に減った。新規に9店舗を出店し、既存店も8店舗を増床するなど、積極的な店舗投資も裏目に出て、利益を圧迫した。
売上高は同77.6%の350億円、営業利益は同9.1%の4億5400万円だった。2倍以上の増収を達成した15年1〜6月期とは市場環境が激変。春以降の円高に加えて、主力である中国人観光客が帰国する際にかかる物品への課税アップが重くのしかかった。昨年6月の平均顧客単価は3万7474円だったが、今年6月は2万1404円に落ち込んだ。
1〜6月期の低迷を受けて同社は16年12月期の業績予想を下方修正した。売上高は650億円(当初予想は1000億円)、営業利益12億5000万円(同70億円)を見込む。
林芳樹