ファッション

H&M傘下の「モンキ」が日本撤退 知名度不足が響く

H&Mグループのウィメンズブランド「モンキ(MONKI)」が日本から撤退する。今日(8月16日)、残っていた竹下通りにある原宿店とイオンモール幕張新都心の2店舗を閉店する。キュートキューブ原宿の地下1階〜1階に出店していた原宿竹下通り店では、16日18時の閉店に向け、90%オフのファイナルセールを実施しており、昼過ぎには1階の一角でTシャツやシューズ、つけ毛やウィッグ、携帯ケースなどわずかな商品が残るのみで、ほとんどの商品が売り切れとなっていた。

今回の撤退について、H&Mは「H&Mグループではビジネスについて定期的に見直しを図っている。その過程において開店・閉店する店舗が出てくるのは至って自然なこと。『モンキ』には可能性を感じており、今後は主に既存の地域であるヨーロッパ、ロシア中国、香港、マレーシアでの店舗展開をしていく予定だ」と説明。また「『モンキ』のコレクションの一部は、世界中に発送している「エイソス」で購入が可能だ」と付け加える。

「モンキ」はキモカワイイ、アニマルキャラクターの「モンキーズ」をはじめとしたグラフィックや、カラフルなウエアや雑貨、インパクトのあるユニークな店舗デザインが特徴的な、ストリート発信のリアルクローズ。日本のストリートカルチャーにインスパイアされて設立されたという。コンセプトは「女性に自信を与え、クリエイティブなマインドを刺激すること」で、デニムの「チープマンデー」や「ウィークエンド」などを手掛けるファブリック・スカンジナビア社が2006年にスウェーデンで設立。08年にH&Mがファブリック・スカンジナビア社を買収したことで、傘下に入った。現在は13カ国・地域で約100店舗に集約している。

日本では13年6月に1号店を大阪の心斎橋筋に売り場面積約300平方メートルで出店。原宿店は同年9月に関東の旗艦店として出店。12月にはイオン幕張新都心店をオープンしていた。心斎橋店はすでに昨年閉店し、「H&M」のメンズ単独店にリニューアルしている。

心斎橋で同時にオープンしすでに撤退している「ウィークエンド」と同様、「モンキ」は日本法人などは設立せず、スウェーデン本社が直接オペレーションを行ってきたが、知名度不足などが響き、売り上げが伸び悩んだ。日本市場で成功するためには、参入時の大々的なプロモーションや継続的な情報発信、日本市場に合わせたきめ細やかなオペレーションや品ぞろえが不可欠であることが改めて浮き彫りになった。

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