アレキサンダー ワン社(ALEXANDER WANG INC.)は「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」の商標を用いた偽造品や転売目的でドメイン名を許可なく使用したサイバースクワッティングを行った企業を訴え、米国ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所から9000万ドル(約90億9000万円)の損害賠償請求を認められた。米国の商標法の下の判決だ。
被告は「アレキサンダー ワン」の偽造品のバッグやシューズ、アパレル、アクセサリーを違法に販売していた459のウェブサイトを運営する45社以上が対象。これらのサイトは、「アレキサンダー ワン」の公式ウェブサイトやECサイトを模倣し、支払い方法としてペイパル(PAYPAL)や大手クレジットカードを受け付けていた。裁判の結果、459のドメイン名がロックされ、アレキサンダー ワン社に移管された他、被告側の資産も凍結された。
同社のスポークスマンによると、アレキサンダー・ワン(Alexander Wang)が偽造品を巡った訴訟に勝ったのは今回が初めてだという。しかし、ドメインの所有者のほとんどが追跡不可能なため、アレキサンダー ワン社に認められた損害賠償額の回収は難しいようだ。「裁判所は事件の再発防止のために、被告に対し極めて多額の損害賠償額を認めることは珍しくない。つまり、弊社も9000万ドル満額はもらえない可能性が高い」とコメント。デニス・ワン(Dennis Wang)=アレキサンダー ワン チーフ・プリンシパル・オフィサーは「弊社は知的財産権をとても真剣に捉えている。ブランドを守るということは世界レベルで警戒心を常に持ち、積極的に国内および国外の模造品業者に排除命令を直接出すことだ。ブランドを立ち上げた2005年以来、ユニークなものを作り上げるために多大な時間と資金、労力を投じてきた。今回裁判所が下した決断に満足している」とコメントした。