REPORT
複雑なニットの編み地で人体や機械の内部を表現
ニットブランドの「モトヒロ タンジ」が今季テーマに掲げたのは「Internal observation(内部観察)」。人体や機械の複雑な内部構造をインスピレーション源に、丹治デザイナーが独自に開発した30種類以上の編み地を使って表現してみせた。
カラーは、骨を連想させるアイボリーや皮膚のようなベージュ、血液をイメージさせる赤、機械的な黒やグレー、ネイビーなどを多用した。色使いは、一着につき一色にするのが同ブランドのルールで、単色使いにすることで複雑なニットの編み地を強調する。素材は全てコットン100%。同じ素材で一枚を仕上げることで柄を均一に見せる。
ファーストルックは、内臓をむき出しにしたようなドレープトップスと、筋肉の筋を編み地で描いたワイドパンツの組み合わせだ。モデルが歩くたび、細胞のようにペプラムが揺れ動く。中盤には、腸や脳みそなどの臓器をノットやループなど立体の編みで表現。そこに、フリルやプリーツなどの女性らしいディテールを入れることで、グロテスクで生々しいイメージを払拭した。
また、前シーズンから変化があったのは、ボトムスの数が増えたことだ。これまで、ワンピースやコートなどで単品で勝負してきたが、ワイドパンツやスキニーパンツ、ミディ丈のスカートなどを披露し、コーディネートの幅を広げた。