ファッション

「ヤストシ エズミ」2016年春夏東京ファッション・ウイーク

REPORT

フランク・ゲーリーの建築から着想した再構築エレガンス

今季のテーマは、建築家のフランク・ゲーリーが得意とする建築技法の”マッタ・クラーキング(Matta clarking)”。建築の構造部分を切り離して、新たな形を造りだす技法だ。ゲーリーが手掛けたビルバオ・グッゲンハイム美術館の外装の曲線美や、「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」の帆を広げた船のような屋根の形などもコレクションの着想源になっている。

ファーストルックは、トレンチコートを再構築したベージュのロングワンピース。3重にしてサイドに縫い付けたラペルやアシンメトリーな裾がポイントだ。また、ジャケットのスリーブを胸元に巻き付けたシャツワンピースや、ジャケットの前身ごろをドッキングしたショートパンツなど、ひねりを加えたウエアが登場する。いずれも、変形シルエットであるが、ベージュやネイビー、グレーなどのベーシックカラーを使うことで、エレガントで都会的な印象を持たせている。

今回、ショー会場に選んだのは、東京・表参道にある南青山ギャラリー。入口には植物の壁がそびえ立ち、コンクリート打ちっ放しの内観がガラス越しに見える洗練された空間だ。「メゾン感を出せるように、この会場を選んだ」と言う江角泰俊デザイナー。その”メゾン感”を出す試みは、会場選びだけではなく、スタイリストやヘアメイク、演出に新たなメンバーを迎えているのも一つ。スタイリングを担当したのは、モード誌で活躍する仙波レナだ。

また同ブランドは、前シーズンからニューヨークの展示会に参加。その成果で、ハーヴェイニコルズやギャラリーラファイエット、リバティなどの海外の百貨店でも取り扱われるようになった。今後さらに、商品の質を向上し、ショーピースの価格帯を上げ、ブランドのグレードアップを狙う。

LOOK

[rel][item title="【スペシャル】東京ファッション・ウイーク2016年春夏特集 ショーの一般招待やファッショニスタ、参加ブランドのSNSレポート企画などを実施" href="http://r.advg.jp/adptg_count/r?adptg_aid=5824&adptg_mid=190&adptg_lid=2" img="http://www.wwdjapan.com/collection/wp-content/uploads/sites/3/2015/10/fcfab5479659ece4a63c9d70f38331d0.png"][/rel]

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。