三越伊勢丹は8月24日〜9月6日、本格的な秋物の立ち上がりに合わせて、"テクノロジー×ファッション"に焦点を当てた企画を伊勢丹新宿、日本橋三越、銀座三越の各店の複数の売り場で発信する。同様の企画は昨年も実施したが、昨年はガジェットなど"モノ"に焦点を当てたのに対して、今年はテクノロジーとファッションが融合することで生まれる "近未来のライフスタイル"にフォーカスしている。ソニーなど同社との取り組みが初となる企業やクリエイターとの協業が目を引く。
伊勢丹新宿店本館2階ザ・ステージでは、「近未来ではどのような生活をするか?」をテーマに、ソニーと協業してデジタルライフを提案する。アプリと連動し人の動きを感知して効果音が鳴るように設定できる「遊び心を形にできる電子タグ」や、電球と取り替えるだけの「明かりとともに音楽を楽しめるLEDスピーカー」など、実際に体験できるブースを設置した。ソニーのR&Dプラットフォーム 研究開発企画部門 小池陽一郎氏は「時計が道具からファッションに移り変わったように、デジタルテクノロジーの中でファッションの重要性が増してきている。テクノロジーもファッションの一部として提案したい」と話している。
センターパーク/TOKYO解放区ではVRでのショッピング体験を実施する。実際の洋服を3Dスキャンし、生地の質感やディテールをVRの世界で確認でき、購入することも可能だ。ブースを担当するサイキックVRラボ(Psychic VR Lab)の八幡純和 クリエイティブディレクターは、「VRは実際に体験してもらうまでの道筋作りが大変。それには、ワクワクできる体験を提案することが重要だ」と語る。
本館2階の婦人靴売り場では、試し履きを繰り返す悩ましさを解決するため、バーチャル試着サービスを提供するフリックフィット(FLICKFIT)と協業した。3Dスキャナーで足を計測し、データ化。「ナンバートゥエンティワン」の内寸データと照らし合わせて、80?90型の中から最適な一足を提案する。フリックフィットの廣橋博仁 CEOは「『フリックフィット』は理論上、1度のスキャンで1万足の靴を試着することができる。しかし試着をなくすのが目的ではなく、消費者にもっと靴選びの選択肢を広げることが目的で、今後はECなどでも活用したい」と意気込んでいる。
また地下1階=粋の座 和酒では、ファッションアプリ「センシー(SENSY)」の技術を応用した「AI利き酒師」をスタート。3本の日本酒を試飲し、味の印象をアプリに入力することで、AIが30本の日本酒から一人ひとりの味覚に合わせた最適な1本をセレクトするサービスも行う。