ドナルド・トランプ(Donald Trump)の娘でアクセサリーブランドを手掛けるイヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump)は、伊シューズ企業のアクアズーラ イタリア(AQUAZZURA ITALIA 以下、アクアズーラ)がシューズのデザインを模倣したとして訴えている件に対し、正式に異議を唱えた。
アクアズーラは6月、イヴァンカ・トランプと彼女の会社、IT コレクション(IT COLLECTION)、彼女のシューズをライセンス契約に基づき製造するマーク フィッシャー グループ(MARC FISHER GROUP)を訴えた。アクアズーラは、「イヴァンカ・トランプ(IVANKA TRUMP)」の"ヘッティ シュー(Hettie Shoe)"が自社で製造する"ワイルド シング(Wild Thing)"と酷似していると主張。どちらもピンヒールで、足首を固定するストラップにはタッセル、指先にはフリンジディテールをあしらっている。アクアズーラは形のみならず、カラーパレットも似ていると申し立てた。"ワイルド シング"のフリンジスエードサンダルの小売価格は785ドル(約7万8500円)に対し、"ヘッティ シュー"は145ドル(約1万4500円)だ。
イヴァンカとIT コレクションは8月19日、アクアズーラの訴えに対する異議をニューヨーク東部地区連邦地方裁判所に提出。アクアズーラのデザインは「セカンダリー ミーニング(特別顕著性)」に欠き、公有の物であると反訴した。これに対しマーク フィッシャー グループもアクアズーラを相手取り、応訴した。
ジャン・ミシェル・ヴィノー(Jean-Michel Vigneau)=アクアズーラ最高経営責任者は今回の件に関し、「シグニチャーアイテムの模倣は許さない。ブランドのアイデンティティを害し、消費者を混乱させる」とコメント。これに対し、マシュー・ブリス(Matthew Burris)=マーク フィッシャー最高財務責任者は「この裁判は話題作りのためで、無意味なものだ。問題になっている靴は、今流行りのスタイルなだけ。同様の靴を生産しているブランドは数多くある」と反撃した。
両者は、以前からデザインの模倣をめぐり争ってきた。かつてアクアズーラは「イヴァンカ・トランプ」の"ネシラ(Necila)"が"ベルグラヴィア(Belgravia)"ラインに似ていると申し立て、その後被告は"ネシラ"の販売を中止した。また、マーク フィッシャー グループも「アクアズーラ」の"フォエバー マリリン シュー(Forever Marilyn Shoe)"が 「イヴァンカ・トランプ」の"ティーガン ポインティ トー パンプ ウィス タッセル(Teagin Pointy Toe Pump with Tassel)"に似ているとして訴えた。
北坂映梨