ファッション

猫ひろしがリオ五輪で着用する”ランニャーソックス”に込めた魂

 リオデジャネイロ五輪の男子マラソンにカンボジア代表として出場する猫ひろしは、レースで自ら手掛けたランニングソックス"ランニャーソックス"を着用する。ポップなカラーリングで、猫のマークに刺しゅうした"魂"の文字がアクセントだ。

 2013年に東京・中野の衣料品卸「土橋商店」が"42.195キロ走れる快適ソックス"をコンセプトに、猫ひろし本人のブログのメッセージ欄を通じてプロデュースを依頼した。「土橋商店」の土橋達也・社長は「紹介者もなく、いきなり『一緒にランニングソックスを作ってナンバーワンを目指しましょう』とメッセージを送った。まさか本当に返事がくると思ってなかったので驚いた」と話す。プロデュース料は10万円で、1足ごとに30円のロイヤリティーがつくという激安の条件だったが、猫ひろしは「お金が無くて困っているランナーのために、ぜひ一緒に激安ソックスを開発しよう」と快諾。締め付け具合、吸汗性、耐久性、擦れ具合などにこだわって試作を重ねた後、14年に販売を開始した。

 発売当初は卸先が見つからずに苦労したが、500円という低価格と猫ひろしのリオ五輪出場決定がきっかけで、市民ランナーからの問い合わせが急増した。メンズ、ウイメンズあわせて計8種類を用意し、土橋商店のウェブサイトなどで販売している。しかし五輪のレース本番を前に品切れが続いており、10月中旬の追加分入荷もすでに2000足の予約が入っているという。

 土橋社長は、レースを存分に楽しんで走ってほしいとエールを送る。「8年前にテレビCMで『にゃー』と言っていたお笑いタレントが、オリンピックでフルマラソンを走るなんて誰も想像していなかったはず。夢や希望を持ち続け、諦めずに努力し続ければ必ず夢は実現できるんだということを伝えるのが猫さんの使命だと思う。"ランニャーソックス"を100万足売ることがわれわれの夢だ」。

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