東京ファッション・ウイーク期間中にファッションショーを開催したブランドと展示会を行ったブランドについて、バイヤーやエディターにコメントを求めた。来日したパリのコレットのサラ・アンデルマンと、伊「ヴォーグ」で若手デザイナーの発掘を担当しているサラ・マイノにインタビューした他、三越伊勢丹とそごう・西武の百貨店や、ユナイテッドアローズやステュディオスなど、有力セレクトショップのバイヤーからイチ押しブランドや実際に買い付けたアイテムを聞いた。
【コラム】海外バイヤーが評価する2015−16年秋冬ロンドン・コレクション ▶︎
コレット(COLETTE)
サラ・アンデルマン=ファウンダー兼クリエイティブ・ディレクター
“もっと海外も視野に入れて活動するべき”
全てのショーを見たわけではないが、「ディスカバード(DISCOVERED)」や「ヨシ オ クボ(YOSHIO KUBO)」が良かった。東京のメンズブランドは高いポテンシャルを秘めている。もちろん日本国内で成長することも必要だが、もっと海外を視野に入れて、国際的な舞台で活動するべき。ショーは日本で続けるのもいい。ただ、海外でも展示会を開いて、より多くのバイヤーやエディターに見せることも大切だ。審査員として参加した「トウキョウ ファッションアワード(TOKYO FASHION AWARD)」では6人のデザイナーが勝者に選ばれたが、海外のアワード複数が受賞するのは珍しい。パリでショールームを開催するなど多くのデザイナーに海外進出の機会を与えることは、日本のファッションの発展にとっても有意義なことだと思う。受賞した「リトゥンアフターワーズ(WRITTENAFTERWARDS)」は、単に服というだけでなく、アートのような強いメッセージ性を感じるコレクションだった。初夏にコレットのウインドーを飾るプロジェクトも進めている。
【ルック】「ディスカバード」2015-16年秋冬東京ファッション・ウイーク ▶︎
【ルック】「ヨシ
オ クボ」2015-16年秋冬東京ファッション・ウイーク ▶︎
【ルック】「リトゥンアフターワーズ」2015-16年秋冬東京ファッション・ウイーク ▶︎
ヴォーグ イタリア
サラ・マイノ=シニア・エディター
“良いところはストリートの要素、欠けているのは編集能力”
東京に一週間滞在し、MBFWTのショーはほぼ全て観ることができた。全体的にメンズが良く、どの都市よりもストリートスタイルとランウエイの結びつきを感じた。特に「ヨシオ クボ」「ドレスアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)」はストリートの要素とデザイナーのパーソナリティを上手にまとめていて素晴らしかった。ウィメンズは、「ヤストシ エズミ(YASUTOSHI EZUMI)」「ウジョー(UJOH)」「エーディグリーファーレンハイト(A DEGREE FAHRENHEIT)」が良かったが、東京のウィメンズはまだまだ伸びる余地あり。メンズのように、東京の街を見て、その要素を取り入れるべきだと感じた。メンズとウィメンズに共通して欠けているのは、スタイリングと編集能力。ショーの一貫性を持ちながらも、同じスタイルをリピートしすぎないことが大切だ。また、「アディアム(ADEAM)」のような海外で活躍するブランドが母国に戻り、ショーを開催することはとても良いと思った。若手デザイナーを刺激する機会を与えることは重要だ。
【ルック】「ドレスアンドレスド」2015-16年秋冬東京ファッション・ウイーク ▶︎
【ルック】「ヤストシ エズミ」2015-16年秋冬東京ファッション・ウイーク ▶︎
【ルック】「ウジョー」2015-16年秋冬東京ファッション・ウイーク ▶︎
【ルック】「エーディグリーファーレンハイト」2015-16年秋冬東京ファッション・ウイーク ▶︎
三越伊勢丹
大田彩リ・スタイル バイヤー
“スカートに特化した 「クリーナ」が魅力的”
スカートに特化したブランド「クリーナ(CLEANA)」を今季から買い付けた。いろいろな表現が可能だというスカートだけでコレクションを発表するその潔さに魅力を感じた。気になったのは「トウキョウ ファッション アワード」にも選ばれた「リトゥンアフターワーズ」。ファッションショーはメッセージ性があり感動した。まだ展示会に足を運んでいないが、面白い商品がありそうで見るのが楽しみだ。